エルマーガントリー 魅せられた男

テレキネシス(ISBN:4091875912)の紹介作品でレンタルして観る。
単純にチンケな詐欺師の失敗物語かと思ったら、その詐欺師のある意味成長物語であり、宗教の話にまで及ぶ物語で。初めの頃の聴衆の中でも目立つ笑顔から、終盤の汚物を投げられても毅然と立つ姿、焼けた教会から助かった人々に話す姿、とバート・ランカスターの演技はあまりにも見事。いやはや、大衆とはその姿に左右されるわけだからいい加減なもんだね。
「人間臭さ」故に肉欲を求め地位を得、そして失墜するという姿が描かれるわけだが、その人間臭さのほうがやはり魅力的な訳で。女教祖を見ても、恋する女の時は魅力的に見えるのだが、強行に教義を信じ奇蹟を起こそうとする姿には機械的なものしか感じないわけだし。*1
…でも、最後のくだりはちょっと長かったかな…。
エルマー・ガントリー 魅せられた男 [DVD]

*1:それを演じきったジーン・シモンズも素晴らしい