シンデレラマン

世界恐慌時にアメリカ国民のヒーローとして名を残したボクサーの物語であったが、貧困に苦しむ庶民のヒーローであったわけでアメリカ万歳な映画でなかったのがまず良かったかと。何故リングで闘うのか、という理由が家族の為、という姿に惹きつけられずにはいられない。で、そのブラドックの姿にエールを送る人々の姿に涙したり。
何はともあれ、やはりボクシングの映画というものは魅せる要素がたくさんあるから面白いね。<以下核心メモ>
かつて、栄光を勝ち取ったボクサーが政府から援助をもらったばかりでなく、ボクサーのライセンスを剥奪したプロモーター等にお金を恵んでもらうくだりは、ただ涙するばかりで。ただ、その理由が家族一緒に暮らすために止められた電気を復旧するためというのだが、その想いはチャンピオン挑戦前の「ミルクのため闘う」という言葉にも通じているあたり、この映画のテーマに通じるものかと。
最後のチャンピオン挑戦であるベアー戦は、リングの上での闘いだけでなく、観客の声援、教会での祈り、家族の祈りと、緊張から感動につながるいい見せ方だったかと。
港での日銭稼ぎの労働で左パンチが強化し、復活に繋がったというのも面白かったな。