THE有頂天ホテル

テアトル6、評価★★★★☆
思った通りの限定空間を生かした三谷劇で。登場人物が多く、名のある役者が多い事もあるのだが、画面の端に遊びの様に入り込んでくる演技がなかなか面白い。最後のカウントダウンパーティーなんかは、遊び心満載で間違い探しの様な画面で賑やかすぎ。
もちろん、喜劇的な要素だけでなく、多くのキャラに起きるそれぞれの出来事にほろりとする事も。
何はともあれ、篠原涼子カワイイー。松たか子カワイイー。麻生久美子カワイイー。といった所か。<以下核心メモ>
限定空間の中で、沢山の登場人物を見せ、さらにそれらを融合させていく様は見事。それぞれの、エピソードの配分は見事だったのだが、新堂が元妻へホテルマンである事を隠すくだりは、やや引っ張りすぎた様な気はする。
年越しのカウントダウンまでの流れで、それぞれの人々が自分らしく、思いを持って生きていくという事に目覚めて、いい新年を迎えるという流れが実に気持ちいい。こういう形で年越しの時期を描いた映画って無かったのでは?
色々なエピソードの中で、憲二がみんなにあげたバンダナ、人形、ギターが巡り巡って元に戻って、音楽を志す気持ちを取り戻す、という件が一番好き。その歌が武藤田に自殺すら留めてしまうのだから。で、その武藤田につきまとう事になるヨーコの健気さも光る。
それにしても、ダブダブの声が山寺宏一とは。ドナルドダックをできるのを知っていたから納得はしたけど。どおりで、自在に暴れるアヒルの鳴き声があったわけだ。