SPIRIT

テアトル3,評価★★★☆
実在の格闘家フォ・ユァンジャの物語という事であったが、伝記というよりは、その生き方と考え方をモチーフとした物語だったようで。そのせいか、今回の戦いはリングの上のみとなるのだが、そのアクションはワイヤーワークが抑え気味でも、リング際の攻防などは映画的なものであった。
自分の強さのみを求めた前半部分と、相手を思いやる戦いをする後半部分の差は見事。そして、そのきっかけとなる山村での暮らしぶりと、その四季にまたがる風景は見事。<以下核心メモ>
キーとなる要素として、父親の寸止めによる敗北→チンとの決闘の上での殺害→田中との戦いでの寸止め、という流れになるのだが、必殺の拳を持ちながら相手を倒す事無く負けとなる事も受け入れるという境地になるまでの流れが面白い。それが、最後の田中との戦いでは、対戦者である田中の人間性にて最終的には勝利を認められるという流れは、ドラマチックなもので。まぁ、試合前にお茶に仕組まれた毒の為に体がボロボロになりながら戦う姿の方がドラマチックなんだけども。
この映画は、伝記的な要素を含みながらも1時間44分と短めなのは、戦いを通じての人生という事であったから、その戦いを中心に据えた展開にした為だと思うし、無駄に長くてもダラダラするだけだったので良かったのでは。
だだ、冒頭にもってきた外国人2人が弱すぎたかな?