ウルトラヴァイオレット

テアトル5、評価★★★★
ヴァイオレットの設定、というよりファージの設定ありきの物語。
オープニングタイトルからコミックブックをイメージした絵から入っていったり、ビルがバイオハザードマークだったりと、創り物的なセンスがふんだんに盛り込まれているのだが、便利すぎるいろいろな仕掛けも含めて映像を楽しむ演出としては、許せるものかと。合成感のやや強めな画面はDVDになった時に浮かないかちょっと不安はあるけど。
それ以上に、同監督の前作「リベリオン」の「ガン=カタ」ほどは様式化されてはいないとはいえ、ミラ・ジョヴォヴィッチが見せるアクションは華麗で楽しめる。コスチューム全てハマリまくりだしね。まぁ、あのバイクチェイスはやり過ぎかとも思えるが。
テーマ的なものは無いけど、アクションとトリックで見せるいい映画だったのでは。でも、カート・ウィマーはこんな映画ばっかり撮るつもりなのかな??
あと、音楽も結構良かったよ。<以下核心メモ>
少年の血が残り少なくなったファージを救う武器か…と思ったら実は人間を殺すもので、その理由がダクサスがファージだったから…という展開は映画としては上手く盛り込んだな、というところで。冒頭のちょっとしたシーンがそこまで関わってくるとは思わなかったしなぁ。
ただ、ヴァイオレットの涙のおかげで少年が死なずにいた、というのはやや説明不足か。まぁ、あそこで少年を殺した事にしたから、最後のアクションシーンが単独で映えて、なおかつ希望あるエンディングに結びついたのだが。
それにしても、最初の強敵と思われた中国系の集団が間抜けすぎ。挟撃どころか、円形になって一人の人間撃っちゃ駄目でしょ。って、お互いの弾丸に当てさせて殲滅するというアクションの構図の為なんだろうけど。あと、最後の剣の戦いが暗闇だったので、ちょっとトーンダウン気味か。刀に炎を纏わせたとしても見えな過ぎ。とどめの真っ二つは暗闇だからこその演出でもあったのだが。