DEATH NOTE 前編

テアトル6、評価★★★☆
原作は読んでないけど、金子修介監督の作品として観に行く。
素直に、駆け引きのサスペンスドラマとして面白い。最も映像的な死神リュークがただの添え物であり、物語のキーはあくまでも夜神月の頭の中での作戦であり、それに対するLなのがずっと緊張感を醸し出してるわけだし。
そんな物語で、優等生らしく、時には無邪気で何考えてるかわからない夜神月を演じた藤原竜也は見事。それ以上に、月の父であり、事件を追い続ける加賀丈史の存在感に圧倒されるばかりで。子供じみた発想がメインとなるだけに、脇を固めるのがいい大人というのは、物語に緊張感を与える。
逆に、海砂が出てきたときの軽さは「あぁ、金子修介だから」と思っていたら、後編への繋ぎだったのね。
何はともあれ、この前編は1つの映画として面白かった。最終的な評価は、後半も含めてになるのだけど。<以下核心メモ>
初めは正義感から犯罪者のみを殺していたのが、自分の身を守るためにFBI捜査官を皆殺しにするあたりから、月が正義なのか?という事への揺らぎが出てきて、観ていてハラハラするばかりで。
バスでの切れ端を使った展開、地下鉄でのスリットから名前を書き込ませる展開など、どうやってノートに名前を書くかがキーになっていく展開は、「どう殺るのか?」というサスペンスそのものだと思う。しかも、最後に恋人の詩織が殺された事で、ノートを使った事での報いか…と思っていたら、それが月自信が仕組んだ事とは。それを使いこなす頭脳と狂気に引き込まれる。
そんな展開で、彼の価値観が全然見えなくなってきて、一気に後編への関心が高まる。まぁ、後編は海砂のもう一つのノートと、最後に対峙したLとの直接対決が気になるところか。