ゾディアック

テアトル8、評価★★★★
実際にアメリカであった事件を元にしている様で。
60年代後半から80年代を舞台にしており、視点が風刺漫画家というのが面白い。また、「大統領の陰謀」を彷彿させるアナログな調査活動がワクワクドキドキ感を増している。
デビィット・フィンチャーにしては、ケレン味の少ない演出だったかな。ただ、文字を空間に浮かせたり、メモが取れずに覚えた情報を一気に紙ナプキンに書く様なんかは、らしさを感じたり。
地味だけど、情報が多いだけに、何度か観てみたくなる映画かと。<以下核心メモ>
事実通り、犯人の特定には至るけど、その逮捕が描かれずに終わるのだが、それが決して消化不良になる事は無く、逆に余韻となっているのが面白い。とは言っても、最後には犯人に肉薄する訳で、グレイスミスの恐怖感はさすがフィンチャーと言ったところか。
やはり、無言電話や、紙ナプキンのメモ、図書館の本等、今のデジタル化された世界では見られない味のある演出が見ていて楽しい。