王妃の紋章

テアトル3、評価★★★
配給はワーナー。英語タイトルは「COURCE OF GOLDEN FLOWER」。邦題は、作品を見ればなんとなく判るけど、いまひとつピンとこないか。
チャン・イーモウがこれでもか、とばかりに中国映画らしさを醸し出した一本。セットと衣装の豪華さはもちろん、CGでは無い大軍隊の進撃は、これ以上無いというくらい中国のパワーを感じる。更に、香港映画直結のワイヤーアクションや、英雄譚の様な戦いと、アクション演出の面も十分だし。
物語は、王家の家族内のゴタゴタを描いたものだけど、物語のまとめかたとしては意外に淡々と。まぁ、人物それぞれの意志と行動を描いてるって事もあるんだけど。
やっぱり、チョウ・ユンファの王様ぶりは見事。あの笑顔で悪い人なんだから、魅力的だよね。更に、王の黒い兵士が見所満載。
あと、コン・リー,リー・マンはじめとした女性陣のバストコンシャスな衣装もいいかなぁ。<以下核心メモ>
冒頭の王とジエ王子の剣での挨拶が、最後の王子の決起後の会話に繋がるというのは、王の力を見せるというにはいい流れかと。
愛し合っていたシャン王子とチャンが、実はシーの子供であり兄弟であった事は、物語りの展開上すぐにわかるのだが、物語の中でそれを知った時のチャンの悲しみ。しかも、母子を殺害しようとしていた王の手先に、あっさり惨殺されるというのも悲劇性を増してるかと。
母の不貞を知り兄を殺す、末の王子の動きは面白い。そんな王子も、王によって飾りベルトでの鞭打ちで殺されるという無残な最期が待っているというのも、これまた悲しいもので。
そんな中でも王に抗し、謀反の王妃が最後にはその命を落とす事が無かったというのは、それこそ王の力を示しているんだろうか。最後に出され、飲まなかった薬には机まで侵す程の毒があったようだけど…。