"愛"おぼえていますか

旗印だぞぉー。

連休の中日。何もしないのもつまらないので出かけよう・・・と、いう事で米沢に出かける。
福島経由で13号線をひたすら。それなりにはクルマがいたので、少しのんびりな感じ。それでも、最初の目的地としていた上杉神社までは2時間程度で着いたか。
思えば、目的を持って米沢に来たのは初めてだ。いつも、なんとなく来て、そのまま山形とか蔵王まで足を伸ばしてたからね。


まずは、神社前の上杉博物館で開催されていた「天地人博2009」を見る。

題名の通り、大河ドラマの「天地人」に合わせての企画展らしく、ドラマの小道具や衣装の展示と、その中で描かれる歴史の流れを示した内容で。
ドラマでも大きな見せ場になるであろう、関ヶ原あたりのくだりを丁寧に説明していて、実にわかりやすかった。
ただ、ドラマにも出てきた"洛中洛外図屏風"が、一昨日までであれば本物が展示されていたらしかったので、それは残念だったか。*1でも、複製でもその存在感は見事なんだけどね。


その後、上杉神社ににお参りして、その宝物殿たる稽照殿へ行く。
ここが、今回の第一の目的で、「愛の前立兜」を見る為。

気付けば、前回来た時に「神社の宝物殿でも有料ならいいや〜」とパスした場所だった・・・なんてこったい。
数々の鎧が展示されていた中に、ちゃんとありましたよ、その"金小札浅葱糸威二枚胴具足"が。実物を見たほうが、写真等で見るより全然"愛"の文字が自然で驚く。どうも、前立ばかりに目がいくけど、兜のつくりや胴の黄色の糸の綺麗さには感心するばかりで。

※館内は撮影禁止だったので、あくまでもイメージです
それよりも、もう一つの兼続の鎧とされるもので"日輪と櫂"とか、上杉景勝の日輪のほうが派手だなぁー、と見てる。
それ以外にも、上杉謙信のものが多く残されていて面白い。真っ赤な陣羽織や菱形の珠の数珠は素直にカッコいい。あと、琵琶もあったのにはビックリ。


その後、上杉神社内を散策。

上杉神社は、江戸時代の上杉鷹山に関するものばかりと思ったけど、越後から会津を経て、米沢に移ってきた上杉家の歴史を語る場所なんだなー、と実感したり。
ついでに、その近くにある上杉家御廟所や、兼続らが眠っている林泉寺を見学。
どちらも、米沢の街中という事で、地元の人の暮らしに近いところにあるのが印象的。林泉寺は一般のお墓もあるわけで。会津松平家廟所や、白虎隊のお墓が山にある事を知る身としての違和感なのかもしれないけど。
それはさておき、史跡とはいえお墓なので、それをバックに記念撮影するのはどうかと思うぞ・・・。


場所を移動し、今回の第二の目的地である宮坂考古館へ行く。

なんでも、兼続を通じ米沢に縁があった前田慶次の鎧が展示されているとの事で。合わせて、企画展として「花の慶次」の原画展もあるとかで。
入ってみると小さい建物だけども、7つ程の鎧が展示され、その真ん中に前田慶次の鎧がある形で。気付けば、その左右を兼続と景勝の鎧があり、別のところに謙信の鎧もあるという、実は濃い展示。
で、その慶次の鎧だけども、他のものと並ぶ事でその特異さが際立つ感じで。前立の無い兜や、朱の肩当と胴、肩の鱗の装飾と、派手という感じ。この鎧を見ながら、加賀から米沢へ来て居ついた傾奇者へ想いを馳せる事の楽しい事。
でも、原画展は華をそえる程度だったけど、実際に見た鎧とちがう描かれ方を比較するのもまた、楽しいという事か。


その後、米沢駅前に行って安い牛肉料理を食べ、一路帰途へ。
帰り道もトラックに塞がれた形だったけど、まぁ、思ったよりは早く帰れたか。
ともかく、鎧をいっぱい見たなー、って一日。勿論、会津にも絡む歴史の流れを存分に堪能したという事で、満足すぎるくらいで。

*1:秋にも再度、展示期間があるらしい