ターミネーター4

テアトル6、評価★★★★
原題は「TERMINATOR SALVATION」。"救済者"という意味だとか。
現代の風景から離れ、"審判の日"を経て荒廃した世界を舞台にしている事から、3であった様なシュワルツェネッガーに頼る作劇から一転し、SFとして成り立たせようとする意志がひしひしと伝わってきた。
話の展開も、「T1」からの流れを尊重するものであり、その要素を生かしたネタは面白い。やりすぎな感じもあるけど、嫌いではないかと。更に、ロボットと人間の対比という構図も設ける事で、人間の底力というかバイタリティを存分に描いていたと思える。
映像としても、荒廃した世界をざらついた質感の映像で見せるのは面白い。反面、屋内のクリアさと差がありすぎた感もしなくはないが・・・。
今回のジョン・コナーを演じたのはクリスチャン・ベイルであったわけだが、泥にまみれた男らしさでその存在感は素晴らしく、歴戦の勇士としての説得力は十分であったと思う。
やはりターミネーターならスタン・ウィンストン・スタジオなのか・・・と、思ったが、スタン・ウィンストンはこの映画の製作中に亡くなっていたとの事で。合掌。<以下核心メモ>
今回のポイントとなるのが、脳と心臓に生体部品を持つハイブリットたるマーカス・ライト。冒頭で、その死刑シーンから始まるのだが、その罪を最初に見せることで、ラストでジョンに心臓を捧げるという展開も盛り上がるわけで。それ以外にも、途中でスカイネットに単身潜入するくだりあたりのもっていき方は面白い。
勿論、その潜入自体がスカイネットの仕掛けたトラップでもあるのだが、この辺りの設定からのうまい演出はニヤリとするばかりで。しかし、冒頭でインパクトを見せたヘレナ・ボム・カーターが、このスカイネット内でもモニター上で出てきたのは巧かったか。
マーカスというと、ターミネーターらしい無表情な演技がシュワルツェネッガーを踏襲してるなぁ・・・と思ったら、「T1」のシュワ皮を被ったT-800が出てきて最後の強敵になるなんて!らしい演出で実に嬉しいのだけど、ここまでコンピューターで作っていいの?という疑問も。(セリフが無いからいいのかね?)
今回の物語で「T1」の主要キャラ、カイル・リースの登場編ともなったわけで、反乱軍の勇士として認められたわけだけど、続編はやはりあるのかな??今作の2018年ではタイムマシンが出るところまででもなかったし・・・。