仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイドMOVIE大戦2010

テアトル6、評価★★★
仮面ライダーの映画という事だが、「仮面ライダーディケイド 完結篇」と「仮面ライダーW ビギンズナイト」という2本の映画を展開しつつも、最後に"MOVIE大戦"という名目で融合させてしまうという荒業を見せた映画。そのせいで、映画としての出来はグダグダに。まぁ、その融合させるところの演出は面白いのだけど。
まずはディケイド側。区切りを付けずに終わった話にケリをつける・・・という事であったのだが、Wと絡ませる事に意識を持ちすぎたせいか、シリーズ完結篇の体を為していないのが最大の問題。結局全て空回りで終わった感じ。ひとつひとつのピースはいいのだけど、合わせると組みあがらないパズルの様な映画で全くの消化不良だった。
そしてWパート。テレビの1話アバンタイトルに繋がる物語なのだが、吉川晃司のカッコ良さもあって思った以上に面白い。まぁ、これがラストの融合した事でのお祭り感覚を持ってしまったのが実に残念。もう少し翔太郎との交わりを濃く描いても面白かったのになぁ、と。
今回の映画は、映画を観せるトリックは面白いけど、それ故に単なる後に残らないお祭り映画に終始してしまったなぁ、というのが感想か。<以下核心メモ>
ディケイドの冒頭で、スカイライダーとスーパー1が出てきてディケイドに倒されるけども、導入のインパクトだけど話の筋としては無意味。更に、タックルやディケイドの激情態を出したはいいけども、出しただけど終わって消化されていないのは酷い。ディケイド=士の闘いを描けば描くほどにショッカーの存在がギャグ以外の何者でもなくなるのは、やはり今回の映画が完結させる意志など無くてネタに終始してるって事なんだろうな、と。
ただ、ZOのネオ生命体を持ってきたのは原典がマイナーである事を除けば、上手いキャラ配置だとは思う。もっとも、それも意味無く出てきたクライシス要塞と融合したうえ、最後にはダミー・ドーパントと融合するって・・・。
W側は、ともかく1話のアバンタイトル前の状況を見せる事と、翔太郎とフィリップの出会いや、帽子の意味等の今までテレビで消化されていなかった要素をうまく紐解いていった感じで良かった。やはりスカルと対峙した翔太郎の意思の変化は素直な感情移入が出来るシーンとして好き。勿論、それは吉川晃司の圧倒的な存在感というものがあっての事だけど。あと、亜樹子役の山本ひかるが頑張ってたな。
それにしても死神博士がガイアメモリを使ったドーパントという展開は、今回の映画のトリックならではか。寺田農石橋蓮司のツーショットは地味に豪華だったなw