SPACE BATTLESHIP ヤマト

ワーナーマイカル5、評価★★★
実写版「宇宙戦艦ヤマト」。いわゆる最初のヤマト劇場版のストーリーかと思っていたけど、「さらば宇宙戦艦ヤマト」の要素も盛り込んだもので。確かに、新たな物語として見せるには正解なのかなぁ、と。
オリジナルに従って、ガミラスデスラーが登場する話になるのだけど、その正体が異星人では無く意識生命体みたいな感じなので戦闘とかのイメージは大きく異なる。まぁ、オリジナルの様な敵との駆引きという面白さは無いけど、地球人側のドラマを十分に描くという意味では良かったのかもしれない。もっとも、そのドラマが、特に前半部分でキムタクドラマになってしまってた感があるのだけど・・・。
ドラマの変更に従い、キャラクターの配置や相関関係が変わってるけど、映画の中では許せるもので。特に気になっていた森雪が戦闘機乗りである事はドラマに生きていたし、高島礼子演じる佐渡先生は意外な説得力があるもんで。
もう一方の主役たる"ヤマト"だけど、VFXの効果も素晴らしくなかなかの存在感。艦首の太さなどのボリュームが独特な気もするけど、実写ならではの情報量は見事としか言い様が無い。ヤマト以外にも、この映画での美術の仕事は基本的に素晴らしいと思う。まぁ、コスモゼロの不思議ギミックとか、ライフルがG36ベースにXM8っぽいラインを付けた安直さとかはあるとしてもww
不安はあったけども、ヤマトという素材を使って日本的な新しいSF的作品を、エンターティメントと仕上げたものとしては満足かな?でも、SFというかスペオペよりはファンタジーっぽくなってるからなぁ・・・。<以下、核心メモ>
最初のアニメだけかと思えば、真田と斉藤が命をかけ、徳川機関長が命を落とし・・・という事で「さらば〜」からの引用が多いなぁ〜と観ていたら、最後はヤマトの特攻で終わるとは。
ただ、先の作品と異なるのは全員玉砕ではなく、古代だけが特攻するというもので。コスモクリーナーD(放射能除去装置)の役割となる力をイスカンダルで得た森雪が、地球に帰還するというシチュエーションになるので、特攻自体の意味は大きく変わるもので。そんな流れを経たエンディングは古代と雪の子供が、緑の蘇った地球で・・・というシーンになるのだから、その命を守るという辺りにテーマ性を持ってきたのか、と考えてしまう。
ある意味、この映画での最大のサプライズはアナライザーの存在か。冒頭から古代の持ってる端末がアナライザーなんだ、と思っていたら最終決戦ではコスモゼロに組み込まれるし、最後には機動兵器になってガミラス兵と戦うとは!やりすぎな感もあるけど、嬉しい演出ではあるかなぁ〜。