ソーシャル・ネットワーク

テアトル3、評価★★★★☆
世界的なSNSであるフェイスブックの創設を描いた物語。でも、責任者のマーク・ザッカーバーグの視点を中心としながら、アイデアを盗られたと訴えるウィンクルボス兄弟や、マークの友人で共にフェイスブックを立ち上げながらも諍いから訴訟を起こすエドゥアルド・サベリンらを軸として語られるもので。
その語り口も、訴訟で皆が話し合うシーンと以前のシーンが切り替わってのものだけど、そのリズム感で2時間を一気に見せたあたりは、やはりデヴィット・フィンチャーの演出手腕かなぁ、と。冒頭に恋人にフラれて酒に酔い、勢いで大学内の女の子を比較するサイトを作ってしまうあたりのスピード感から、映画に引き込まれる感じで。
ただ、この映画では登場人物に感情移入しづらいのがなんとも。共感や感心はできるんだけども。勿論、そういうドライな感覚も演出としてある様には感じたのだけど。
ネットを通じて人と人とを繋げるSNSの立ち上げに、こんな人間の物語があったんだなぁ、と考えつつも、とにかく楽しめた映画だったと。
あと、パンフレットが変形版で扱いに困るけど、作品の解説やスタッフインタビューの他に、mixi社長等へのインタビューなんかもあって、読み応え十分で満足。目次が、スクリプトに埋め込まれた感じに作られているのもポイント高い。<以下核心メモ>
フェイスブックの話だったところに、ナップスターを作った人間にまで話が及ぶのが、興味深く意外でありながらも、時代を表す事として妙に納得。
また、途中で8080を用いてのコンピュータ作成について講演しているのが、実はビル・ゲイツというのも比較する対象の人間としても面白い。
映画としては、裁判所での協議の終わった夜に和解を示唆したシーンで終わり、実際の結果は文字だけで流れて尻切れな雰囲気もあるけど、映画としては良かったと思う。事の顛末をクドクド描くよりも、そこまでのリアルでの人間通しのやりとりで描きたい事は十分描かれていたと思うし。