GANTZ PERFECT ANSWER

テアトル8、評価★★★
GANTZ2部作の後編。日テレ制作らしく「20世紀少年」と同様に、スタート前に解説的な前作のおさらいがあるというセンスの無さ。直後のオープニングで、再び前作のシーンを見せられる冗長感から始まるスタートにもどかしさも。
冒頭から一気の展開かと思えば、物語の展開の準備から始まるもので。ただ、中盤の地下鉄を舞台とした黒服とのバトルから、小島多恵争奪戦までのアクションの量は見事。ハリウッド的なアクションと映像処理が観られるんだけど、商店街や瓦屋根という日本的な風景の中で描いたのはポイントが高い。
ただ、終盤にむけてやりきれなさが出てくるのは、物語の展開というよりは、完結していない原作を映画化した事でのもどかしさが出てしまった感じが。サブタイトルに込められた思いというのは伝わるけど・・・。
それにしても、二宮和也松山ケンイチの演技は役者の魅力も出していて良かったのでは。松山に関しては、表情があまり豊かでない事を生かしていたかと。
トリックよりはキャラクターに焦点を当ててたんだけど、描きこみ不足な感も。映画の時間では足りないかなぁ、とも。<以下核心メモ>
力が尽きようとしているGANTZからの最後のミッションを経て、玄野が最後に望んだのが「死んだ全員を生き返らせ、自分はGANTZのコアになる」という事。自己犠牲という形で終わらせたかったんだろうけど、納得は出来ないよな。
せめて、生き返った多恵が遊園地から玄野のメッセージを受け取るのは、観覧車の電光板ではなくて、スケッチブックなんかのメモくらいでも良かった気がする。やりすぎで、白けた感が。
予告では玄野と加藤が対立する様に見えたけども、その加藤は黒服の擬態という事で納得。その後の、西への擬態という流れも出来てるわけだし。
今回は、異次元というよりは実世界での戦闘がメインだったけど、全編で玄野がGANTZスーツで遊んだ時に実世界でもパワーが増幅される・・・という事を見せいていたのは、実はここで効いて来たんじゃないか、と思う。