海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE

テアトル7、評価★★★★
まさかの戦隊と宇宙刑事のコラボレーション映画。
今までの戦隊VS映画と同じ上映スタイルなので、尺が短めで料金も大人が1200円というもの。その尺の短さもあってか、いきなり前振りも無しにゴーカイガレオンとドルギランとの空中戦から幕を開けるあたりのテンションの高さはさすが。ライダー併映で短編映画を多数作っている戦隊ならではの映画の導入といったところか。
完全にお祭りとして独立したものと思いきや、さすがは「ゴーカイジャー」のメインライターである荒川稔久が書いているだけあって、マーベラスと一条寺烈をスムーズに組み合わせる展開は巧い。蒸着プロセスの解説等、ギャバンとしての演出も忘れていないし。
そして、この映画は何よりアクションが素晴らしい。TVでもアクションを魅せる「ゴーカイジャー」だけど、そこに輪をかけたテンポの良さ。更に、大葉健二の57歳になると思わせないアクションの素晴らしさが堪能できるとは。
東映にしては、狙いもテンポも演出もいいヒーロー映画を見せてもらった!と言える1本。<以下核心メモ>
大葉健二出演という事で、パロディ的要素としてデンジブルー=青梅大五郎とバトルケニア=曙四郎が揃って出て来た…と思ったら、最後には更にそこに一条寺烈が加わるという正に奇蹟の競演。それぞれのキャラクターでそろっただけならまだしも、宇宙刑事3部作のラストでの演出の引用でナレーションに従って3人が変身した姿で揃うとはなんと贅沢な。
マーベラスは幼い頃にギャバンに助けられており、ザンギャックに魔空空間の魔空監獄に捉えられたギャバンを救出に…という流れなのだが、最上階でのマーベラスギャバンブートレグの戦いが派手で且つガン=カタも入り乱れる素晴らしいもの。そのとどめが、跳弾で列の戒めを壊して救出→各階の床を打ち抜いて貫通→全員が順次その穴に飛び込み最下層へ脱出→最上階の爆発で、残してきたゴーカイサーベルが手元に戻る…というバカバカしくもこれ以上無い演出なのだから堪らない。マーベラスの「ド派手に脱獄だ」の台詞も言う事無し。
最終決戦は地上での戦いだけど、正直巨大化でのくだりは蛇足かなぁとは思えたけど、カンゼンゴーカイオーを乗せた電子星獣ドルとか、ギャバンとゴーカイレッドのとどめの一撃は、この映画の締めとしては必要だったんだろうな、と。