テルマエ・ロマエ

フォーラム5、評価★★★
同名コミックからの実写映画化。原作は未読だけど、アニメ化されたものだけは見た状態で。
ルシウス以下メインキャラを日本人が演じていたのが話題だったのだけど、ローマ側でのシーンでは周囲の人物はイタリア人で日本語の吹替えというものだが、これは実にいい。前半のコミカルなシーンに実に合ったもので。
ただ、後半で映画的な盛り上がりを見せるために、大きな物語になっていくのだが、ローマ時代での言葉の問題も含めエイヤでやってしまった感も。真実がローマ時代に行ってからのくだりで、言葉の問題をクリアする様な小技を出していたけど、そういうのが後半の展開を考えると邪魔になってる様で・・・。オリジナルで真実を全編通して出したのは悪く無いんだけどね。
映画としてはエピソードそれぞれを実写で真面目に描いた面白さが際立ってる感じだったけど、何よりもイタリアの撮影所を使ったローマのシーン・・・特に壇上で市村正親が話すシーンは実に見事。役者と舞台がこれほどマッチした映像があるだろうか、と。<以下核心メモ>
現代日本の真実がタイムスリップするという展開は映画としてのものだけど、タイムパラドックス的な要素でアントニヌスが皇帝にならないという事から、それを修正する為に動くのがクライマックスの話。まぁ、結局風呂を作ってローマ軍兵士を元気にして戦争に勝つというものなんだけどね。ここで、真実だけでなく父親や温泉の常連まで来るのだけど、やり過ぎな感じはしないでもない。でも、そうしないとあの温泉施設を建てる事はできないしなぁ・・・と難しいところ。
風呂で溺れて現代にタイムスリップしたルシウスが戻るきっかけは涙・・・というのが、真実が涙を流した事で判るというのは物語としてキレイにまとまったな、と。それ故に、現代に戻った真実が体験を「テルマエ・ロマエ」として雑誌社に持ち込むシーンと、それに続くルシウスがまたタイムスリップしてくる・・・というラストシーンは実に蛇足と思えるわけで。
エンドロールで、日本もローマもそれぞれみんなが楽しそうにお風呂を楽しんでるシーンをバックに流していたのは良かったな。