嵐を呼ぶ男

未見の作品としてレンタル。
タイトル曲を歌うドラム合戦が有名だけど、実は物語の半ばの出来事であり、メインのストーリーとして親子や兄弟の物語が据えられていて意外な感じ。冒頭から美弥子との恋模様をドラムと軸にしていくものだと思って見ていたので、弟の英次が指揮するオーケストラの曲に乗せ、そして分かり合えなかった母親と分かり合えた事で終わるという流れには戸惑いも無くはなかったが、正一というキャラクターを踏まえた人間模様とすれば納得かもしれない。
主演は言わずと知れた石原裕次郎。デビュー2年目で5本目の映画という事で、やんちゃさが残る表情が印象的。それでも、スラリとした身長に手足の長さ、そして所作のカッコよさにはいいなぁと思わずにはいられない。まぁ、顔のカッコ良さといえば美弥子の兄である慎介を演じた岡田真澄を挙げずにはいられないのだが。
しかし、有名は「嵐を呼ぶ男」の歌だけど、想像以上に突然出てきたのには驚き。なんいうか、もう少しピンチに陥った為のアドリブの感じというのが出だしにもう少しあれば…と思ってしまうのは仕方が無い。
粗削りだけど、'50年代後半の音楽事情も垣間見える様であり、元気な日本映画らしい面白さに溢れていた事からの面白さは確実にあった。
しかし、特典としてあったデータを見ると、クランクインが'57/10/24、クランクアップが'57/11/27、完成試写が'57/12/6…って、撮影も早いけどポストプロダクションの早さはどうしたものかwこのスピードが、日本の映画黄金期を作ったんだろうね。
日活100周年邦画クラシック GREAT20 嵐を呼ぶ男 HDリマスター版 [DVD]
同じ監督も手がけたらしいので、近藤真彦版も見たいところだが。…渡哲也版もあるの??