スノーホワイト

フォーラム1、評価★★★★
よく知られたグリム童話の作品「白雪姫」を新しいテイストでの映画化。
原題では、「SNOW WHITE & THE HUNTSMAN」となってるので、狩人との話と明確になっているわけで。その狩人を演じたのが、ソーのクリス・ヘムズワースとは。今回は存分に斧を振り回していてカッコいい。
新しいテイスト…と言いながらも、喋る鏡,毒リンゴ,小人というよく知られた要素は形は変えても登場しており、大きな変更点となる甲冑姿のスノーホワイトはクライマックスのもので。中でも、小人はちゃんと"ドワーフ"となっており、その特性もドワーフらしいものになっていた。こんな感じの積み重ねが、お伽話の夢の世界よりも泥臭い人間を見せるための作品として仕上がっていたと思う。
そんな人間らしさのひとつの象徴である魔女たるラヴェンナとなるのだが、やはりそれを演じたシャーリーズ・セロンの美しさと存在感は見事。更に、怖れる老いで醜くなる様も惜しみなく見せるのだから。
そして、スノーホワイトは全編を通してお姫様らしからぬ活発な活躍なんだけど、演じたクリステン・スチュワートの美しさでお姫様らしさは前面に出ていたかwもっとも、その美しさも儚げではなく、凛とした強さがあるんだけどね。序盤の衣装にはアニメで知られてる服の意匠なんかも取り入れられてたね。
また、タイトルではスノーホワイトと狩人の話となってるけど、最終的にはスノーホワイトと王妃の戦いとなり、男達は添え物だったよなぁ…という感じ。<以下核心メモ>
毒リンゴを食べたスノーホワイトは、幼馴染のウイリアムのキスでは回復せず、狩人のエリックのキスの後に復活する…のだが、ラストシーンの戴冠式ではエリックと熱い視線を交し合う事も無く、"誰が王子様なのか"というのは敢えて触れなかった様な感じ。
元々エリックは軍人であり、遠征中にラヴェンナの弟に妻を殺され狩人になりヤケになっていた、というものでスノーホワイトと会った事でその妻の事を思い出し、且つ忘れてはいない…というのだから、王子というには合わないのだろう。
どちらかというと、そんな無骨で何かを見失っていたエリックに、闘う事を思い出させたという事がスノーホワイトのお伽話的な魅力になっているのだろう、と。同様に、彼女といる事でドワーフ達も最初は殺すとか金の為とか言っていたのに、命をかけて戦う事を誓う様になったのだから。
そんなスノーホワイトの無垢さと王女らしい力を示すシーンとして、朝焼けに輝く中で立派な角を持つシカと対する…というのが出てくるのだけど、どう見ても「もののけ姫」にインスパイアされてるとしか言い様が無いwその前に出てくる、森の妖精や不思議な植物なんかも踏まえて影響は否定できないよなぁ、と。