チャイナ・シンドローム

未見の作品としてレンタル。
アメリカの原子力発電所での事故を題材にしたサスペンスだけど、製作がスリーマイル島の事故より前と聞いて驚く。
原発に反対するマイケル・ダグラスが制作に関わっているとは言っても、直接的な反対のメッセージというよりもあくまでも舞台として使った感じが大きかった。淡々と状況を進めるだけかと思いきや、必要な範囲でも派手なカーチェイスも繰り広げられたりと、社会派ドラマだけでなく、エンターティメント性も忘れない丁寧な脚本で一気に見られた感じ。まぁ、それぞれの思惑と立場が判りやすくて展開に集中できたのもあるが。そんな中で信念は変らないが、立場を変えて戦う原発所長のゴデルを演じたジャック・レモンの表情というか目が印象的。
発電所の造りが日本と違うのかな、という感覚があるにしても、その建物内の雰囲気は十分。全編を通してドラマが進行する制御室の質感と清潔感は、クライマックスでの展開を考えると、更にいいものなのじゃないかと。
あと、この映画は殆ど環境的な音楽以外に劇伴が無いのが印象深い。音が殆ど無いカットも多く、映像で必要な事は語っているというか。そして、ニュース映像で現場の中継が終わり、CMに入って映画も終るのだが、このCMが電気を用いる新型の電子レンジで締めるのがまた面白い。そこから繋がるエンドロールにすら音楽が無いのだから更にビックリする。
チャイナ・シンドローム コレクターズ・エディション [DVD]
しかし、このパッケージはスリーマイル島原発を意識しすぎて駄目だな…。劇中の発電所外観と全然違うじゃない。