バイオハザードV リトリビューション

テアトル6、評価★★★
映画版バイオハザードも5作目。IVがいかにも「続くぞ!」という終り方だったので、その直後のシーンから開始する事になるのだが、それはあくまでもタイトルバックのみ。以降は、このシリーズらしい場面転換で本題が描かれるというもの。
今回はアンブレラの閉鎖的な実験場を舞台としているのだけど、その実験場は渋谷,モスクワやニューヨークを模した街並みを再現したものという事で、映像として出てくる背景は多様なものに。そして、その実験場にいたクローンとして1作目から3作目までのキャラクターが登場するという仕掛けは面白い。何より、ミシェル・ロドリゲスがまた出てくるだけでサービス満点というもの。
そして、IVのラストから出ていたシエンナ・ギロリー演じるジルも勿論活躍。新たに登場したエイダ・ウォンを交えて、クライマックスに向けての美女達の闘いが実に魅力的に仕上がっていた。
と、まぁ映像的には面白いものなんだけど、話はこま切れで、且つ次作を作るための足がかりにしかなっていないのが残念。更に、ゾンビやクリーチャーの、それらしい活躍が殆ど無く、基本的には銃や格闘でのアクションが主体になっていたのが残念であったか。いや、銃器アクション好きとしては大満足ではあるのだが。<以下核心メモ>
今回の敵となるのは、1作目でハイブ内の人間を抹殺しようとしたコンピューターのレッドクイーン。どうやってアンブレラを掌握したのは謎だが、その所業に恐れを為したウェスカーが囚われのアリスを救い出すという唐突な展開。まぁ、ラストでIVで中和したTウィルスを再度アリスに注入し、残り少なくなった人類の救世主として再び特殊能力を持たせようという意図はあった様だが。
冒頭でアリスのクローンが実験場で築いていた仮想の家族で娘としていたベッキーが登場し、アリスがベッキーに母親として懐かれた事によって、今までは無かったアリスの母性を描いていたのだけど、これはあまりにもあざとい演出だった気もしないでもない。まぁ、それで展開に無理があったという事は無くて、いい流れになっていたのだが。
クライマックスは、実験施設から逃げ出し氷原を走っているところでアンブレラ社のマークを付けた潜水艦が氷を割って出てくるというもの。この出てくる演出でまずは笑い。そして、ジルと共に出てきたミシェル・ロドリゲス演じるクローンのレインがウィルスを持った虫を注射してパワーアップしたところで、どう見ても最強だろうというところで笑い。更に、レインの打突で骨が砕けて内臓に響く様子をレントゲンというか内部図解で見せるところでまた笑い。そして無敵かと思われたレインを氷の下に落としたと思ったら、下からゾンビ軍団がレインを水中にひきずり入れ、レインが「また戻ってくる」と捨て台詞を残すところで笑うという、なんとも不思議な演出であった。
それと同時に、どちらもボディスーツ的なピッタリとした衣装を纏ったアリスとジルの格闘が描かれるのだが、これが実に美しく楽しい。ただ、ジルの胸元のデバイスをどうやって外すのかと思いきや、追い詰められた際に手が届いたからそのまま剥がした…という感じだったのはなんとも。その直後に、襲い掛かるデバイスをアリスが銃で撃つのだが、1発目で弾をクローズアップしながらスローモーションとしたのに、足しか落とせずに、その後にシンプルに次弾を撃ち込むというのはちょっと白けたか…。