ハンナ

未見の作品としてレンタル。BDでのレンタル。
戦闘に長けた少女のバトルアクションかと思いきや、もう少し複雑なものであった様で。
人工的に能力を強化されて生まれたハンナが、それを作り出した敵と戦うというもの。ここで、父であるエリックが人間的な感情よりも戦う事や生き抜く事を優先してフィンランドの奥地で育てていたというのがポイント。外の世界に出るという事で、今までの閉鎖的な空間から一気に広がる情報に戸惑いながらも、知り合った家族と触れ合う事で笑顔も出てくるというハンナの描き方が、ただの殺戮マシーンの女の子の話ではないというもの。
人為的に操作されながらも生み死んだ母親、血が繋がっていなくても情愛を抱きながら生き残る術のみを教えた父、自らは子を成す事をせずに人為的な生命を作って殺す女…という、子を巡る大人達の想いのドラマでもあったんだろうとも思えた。
ハンナを演じたのは「ラブリーボーン」のシアーシャ・ローハン。実にナチュラルな雰囲気で登場するのだけど、戦闘シーンでのキレの良さはトレーニングの賜物か。特典のメイキングを見ると、トレーニングで一通りの流れをこなした後に見せる笑顔が、実に可愛いもので。可愛いといえば、冒頭で鹿を狩るシーンにて矢を急所から外し「心臓を外しちゃった」と言うの可愛いなーと思ったらルガーで止めを刺す展開にグッときた…が、これが最後にまた意味を持つとは上手すぎる。
実は、主演のハンナも含めメジャーな俳優を使っていないだろうと思ってたら、父親のエリックがエリック・バナ、敵となるマリッサがケイト・ブランシェットと地味ながらも的確な配役で、安心して見られたのも納得。
ドラマとしても、緊張感あるサスペンスとしても期待以上に楽しめたか。これを劇場で観なかったのは損したかな?
ハンナ [Blu-ray]