ディパーテッド

見直す為にレンタル。映画館で観たきりか。
何はともあれ、ジャック・ニコルソンの存在感に尽きる。その脇に立つと、レオナルド・ディカプリオマット・デイモンも小僧っぷりが際立つというか。
それでも物語の緊張感は、警察に潜り込んだデイモン演じるコリンと、マフィアに潜入したディカプリオ演じるビリーによって作られるもので、その駆け引きや不安を演じるのにこの2人の俳優は最高だったのじゃないかと思える。前半はニコルソン演じるコステロを通じての距離だったところを、終盤で直接の対決になっての緊張感はなんとも言えない。更に、それぞれの結末が実にあっけないものである事も、それまでの緊張感から転ずるものと考えると面白い。
そういえば、警察側の人間もマーティン・シーン,アレック・ボールドウィン,マーク・ウォールバーグと癖の強い俳優が揃っていて、そのアンサンブルも面白かった。まぁ、一番面白いのはウォールバーグ演ずるティグナムが、最後にやる事なのだけど。なんというか、リアルなんだろうけど笑ってしまう姿というか。
コリンの恋人であり、ビリーとも関係を持つマドリンを演じたのはヴェラ・ファミーガという女優。精神科医として仕事をしている時のスーツ姿も実に魅力的であるけど、ビリーとのベッドシーンでの姿は実にセクシーだった、と見直して思う。
あと、劇場で観た後にパンフレットでコステロの部屋には春画が飾られているのは気付いていたけど、それ以外に西洋的な裸婦像も置いてあったのを確認。それらは、自分より若い女性をはべらせ、女が好きだと言い放つコステロらしい部屋を表したものであったのだ、と。他にも、コリンのマンション等にもキャラクターの性格やシーンの必然を感じる舞台が多かったと思う。
言葉も映像も暴力的だけど、丁寧に作られた映画らしい面白さのあるものであった。
ディパーテッド (期間限定版) [DVD]