ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

フォーラム5、評価★★★★
ヱヴァ劇場版の3本目。
下手に感想を書くと全てが核心に触れてしまう…というくらいの映画。またしても、ヱヴァという作品において、庵野秀明という人にヤラれてしまった…という感じなのが。今作で完結せずに、ブツ切りなところも含めて。
ただ、映画としての展開を考えると、"序"ではヤシマ作戦という圧倒的なクライマックスを経ての綾波への気遣い、
"破"での友人やヱヴァパイロット達との触れ合いを経たうえで使途に取り込まれた綾波を救いたいという思い…という感じでシンジの心の動きが見えていたのだけど、どうもそういう到達点が無いままに終ってしまった故の消化不良感が満載なのは不満と言うか。まぁ、それもブツ切りだからの結果でもあるのだろうけど…。
今回のパンフレットは、通常版と特別版があったのだけど、設定イラストがあるという事で特別版を購入。インタビューもページ数が多いのだけども、キャストしか無いのが残念。敢えてスタッフのは無くしたのかな?
まぁ、浴びるような情報と映像を経たうえでのブツ切り…次の展開が否応でも気になってしまうというもので。<以下核心メモ>
冗談かと思ったのだが、まさかの"破"の終わりから14年後の話。あのラストの後に、サードインパクトが発生し、その結果でおかしくなった世界を舞台としたもので。2本目でテレビの再構成からずらしてきたと思ったら、今度は全くの新展開。この流れを誰が予想できただろうか?
碇シンジはヱヴァの中から再構成された人として登場するけど、記憶等はそのままあるので混乱。回収したのは、ミサトが率いNERVに対するヴィレ。リツコやオペレータ3人組もその下にいるのだが、ここでまさかのトウジの妹であるサクラが登場…って、このキャラがいい!ルックスも話し方もwしかし、トウジはいなくなったのだろうか…シンジの着るシャツにその名前は出てきたけどね。
アスカとマリは、そのヴィレに属してヱヴァパイロットとして存在。ヱヴァに乗ったことで、歳を重ねる事無く。アスカは、前作の予告から眼帯をしているのは判っていたけど、その詳細は不明。戦闘時に眼帯の奥が光っていたし…。しかし、クライマックスに登場したプラグスーツのデザインはいいな。マリは、どちらかというと遠距離からアスカの支援というポジションで、ドラマに関する活躍は無し…だけど「グランプリの鷹」を口ずさむ変な歌のチョイスは変わらず。そういや、今回のヱヴァンゲリオンは先の2作以上に扱われ方が酷いよね…。
中盤からシンジがNERVに行った事で、状況は変わる。ここで、渚カヲル登場となるのだけど、シンジを導くと共に真実を知らせる者として物語の大きな要素に。ピアノの出てくる予告が話題になっていけど、2人でピアノを弾くシーンが満載。なんであんなところにピアノが…という疑問も無くはないけど、シンジとカヲルが近付く事、更にクライマックスでのヱヴァ13号機に2人で乗り込んでのシーンは、ピアノのくだりを考えるとスムーズか。
NERVではゴーグルをかけたままのゲンドウや、シンジの知らない綾波が出てくるのだけども、今回驚いたのはシンジと冬月の対面。2人が会話している事も驚きであったのだけど、そこで冬月から母のユイについて語られるとは。
どう見ても、今回の悪役はゲンドウに見えるのだけど…ゼーレから離れて、今までの作品とはまた違う"人類補完計画"を目論む先がどうなるのかねぇ…。
過ちから現れた使途との戦いでカヲルが死ぬのを目にし、気力を完全に失うシンジ。ヱヴァを脱出して生き延びたアスカとレイ…アスカがシンジの手をひきつつ回収ポイントに向かう…というところで"つづく"と出るので、正直なところ呆気にとられたというか。
しかし、こう書き出してもまだまだ足りないくらいの要素で埋まっていたのは確か。もう一回観たいところではあるが…。