007 美しき獲物たち

未見の作品としてレンタル。
シリコンバレーの工場を沈め、自らのICの価格を吊り上げようとするゾリンが敵となる物語。そのゾリンを演じたのが、クリストファー・ウォーケンソ連の研究によって作られた人間という設定もあり、狂気の犯罪者を見事に演じていた。愛人としても傍に置いていたメイデイの命も捨て、使っていた作業員が水に溺れるのを銃を向けて撃ち殺すという人間性の無さには久しぶりの怪人的な悪役なのだが、クリストファー・ウォーケンの尊大で笑みを浮かべる表情があってこそ怖さが引き立つもので。
ボンドガールはタニヤ・ロバーツ演じるステイシー・サットン。意外にハスキーな声で、唇が印象的な美人。サンフランシスコが舞台となるのだけど、正にアメリカ的な女性というか。終盤のツナギ姿がスタイリッシュだと見ていたら、あまりにもダボダボだったのでタニヤ・ロバーツ自らがもっとフィットする様にオーダーしたのだとかで。
舞台がシベリア→パリ→サンフランシスコと変わるのだが、それぞれで豪華で印象的なアクションが。パリでのエッフェル塔からのダイビングやセーヌ川沿いでのカーアクション、サンフランシスコでの消防自動車を使ってのパトカーとのチェイスと、とにかく派手。クライマックスはゴールデンゲートブリッジなのだが、現地撮影は殆ど無く、1/1サイズから小さいサイズまでのミニチュアを作っての撮影だったという話には驚かされる。確かに、リアプロでの撮影シーンはあったけど必要な場所だけとはいえ、1/1で作るんだものな。
この映画で、ロジャー・ムーアがボンドを引退。撮影時で57歳という事であったが、そんな事を感じさせないくらい色々なアクションを演じていたのにね。同時に、ロイス・マクスウェルのマニーペニーも今回が最後であったが、競馬場のシーン等での衣装が実に華やかで可愛らしいものであった。
美しき獲物たち〈特別編〉 [DVD]