007 消されたライセンス

未見の作品としてレンタル。
ティモシー・ダルトンがボンドを演じる2本目で最後の作品。
友人でCIAのフェリックス・ライターが結婚式直前に麻薬王のサンチェスを捕え、無事に結婚式を迎えるというオープニングとなるのだけど、その直後に新妻が殺されライターもサメに足を食われるという重症という展開。それに対し、MI6の命令も無視して、ライターの復讐をするためにサンチェスを追う・・・というのが物語。「リビング・デイライツ」にもあったけど、内なる怒りを表すのに、ダルトンの演技はいい。鋭いというか。
メイキングのインタビューで「用心棒」を挙げていたけど、麻薬組織内での疑心暗鬼を誘うボンドの働きは見事。ただ、終盤でそれを崩す役割となる、サンチェス配下の若い殺し屋ダリオを演じていたのがベニチオ・デル・トロで驚き。確かに、あの濃い顔を見てどこかで見た・・・とは思っていたけどw
今回の物語では、Qが大活躍。秘密兵器を届けるだけかと思いきや、ボンドの潜入や追跡の手伝いをするのが実に楽しい。ちゃんと変装なんかもするし。
ボンドガールとして登場するのは、CIAのパイロットであるパメラ・ブービエと、サンチェスの愛人であったルペ・ラモーラ。ボンドとのラブシーンはルペのほうが多いが、協力者として活躍するのはパメラのほう。パメラは、登場では長い髪にレザージャケットと男勝りな雰囲気だったけど、ボンドと共に潜入して以降の髪をさっぱりとして、ドレスを纏った姿は実に美しかった。
命令に背き復讐で動くという事の違和感は確かにあるが、冷酷でありながらも的確にサンチェスを追い詰めるボンドのスタイルは悪くない。監督が「後日評価される・・・」という事を言っていたけど、確かにそういう内容の作品かもしれない。まぁ、作風はどうあれスカイダイビングやダイビング、そしてタンクローリーを使ってのアクションはどれも緊張感溢れる007らしいものであったわけだし。
007/消されたライセンス 特別編 [DVD]