見直す為にレンタル。劇場で見た他、テレビでも見たか。
ボンドガールとしてソフィー・マルソー演じるエレクトラ・キングが登場・・・と思いきや、堂々の悪役という事に。テロリストであるレナードに誘拐されたのが、MI6が救出を行わなかったところに、レナードに抱かれた事で、テロリストに転んでいたという物語の展開。その美しさと、狂気を秘めた危険な雰囲気は見直してみると強烈なもので。親密になった後に対立し、最後にはボンドに撃ち殺されるというのもシリーズとしては珍しいものであるわけで。
その一方で、正当なボンドガールのポジションで登場するのが、デニス・リチャーズが演ずるクリスマス・ジョーンズ博士なのだが、あまりにもソフィーのインパクトが大きいのと、ボンドと共に行動をしながら添え物の印象を脱していないのが実に残念。色気も十分で、物語の重要なポイントで関わっているのに。
そんな女性達と共に、活躍するのがジュディ・デンチのM。エレクトラの要請で現地に出向いて囚われたりと酷い目に遭うのだが、時計の電池で持っていた発信器を動作させるくだりには妙な説得力が。
キャストといえば、長い間Qを演じていたデスモンド・リュウェリンがこの映画の後に亡くなった為に最後の出演となったのだが、登場シーンのラストでボンドに教訓を残しながら地下に去っていく姿には、自然と涙が出てしまう。
石油の利権に、ロシア絡めての核兵器や原子力潜水艦を巡ってのボンドとテロリストの戦いを描いた物語となるのだが、科学的な疑問が残るもののテンポも良く面白く見られた。