フォーラム5、評価★★★★★
友人のいない少年時代のジョンの願いが叶い命が宿ったテディベアが、少年と共に歳を重ねて酒と女とマリファナに溺れていて・・・というコメディ。冒頭、少年と命を持ったテッドの様子は童話的に描かれるのかと思ったら、少年の夢の強さと戦闘ヘリの強さを比較するとか、飛ばしまくりの100分。
予告から下ネタ満載であるのはわかっていたけど、更に汚物的な下品さもあるのかと思ったのだが、意外にそちらの方面は大人しくて安心して観られた。まぁ、直接見せない様に出てくるモノの他、オナラに関するネタは多かったのだが。
そんな内容なので終始ドタバタで終わるのかと思いきや、大人になりきれずに4年間付き合っている恋人との結婚に至れないでいるジョンの成長も含めての物語にもなっているので、実はホロリとさせるくだりも。それでも、最後はハッピーな気分で観終わる事が出来るというのはいい。ジョンとテッドの設定もあって、映画やドラマに関するネタも多いのだけど、そういうものも含め、出てくる要素を短い時間でキレイにまとめたという感じもあるし。
この映画、シーンのテンポもいいけど、セリフのテンポもとにかく早い。字幕とセリフの差異を確認しようと思っても、畳み掛ける様に話すセリフにはとても付いていけない。そんな事もあってか、字幕もかなり日本人に判りやすいニュアンスを考えて作っているな、と感じられた。
ジョンを演じるのは、マーク・ウォールバーグなのだけど、こういう変なキャラクターも演じさせるには抜群のキャスティング。まぁ、レンタカー屋の従業員にしては腕の筋肉が立派過ぎるのだけどもw
とにかく、お下劣なコメディを観にいったつもりだったのに、正に大人の御伽噺という様相の映画に、期待以上に満足させてもらったかな、と。<以下核心メモ>
テッドといる事で、ジョンが大人になれないという事で、恋人のロリによってテッドが家を追い出されるという展開なのだが、ジョンがなかなかテッドと離れられないという事で物語が展開。遂には、テッドから離れられずに、約束を果たせないジョンとロリが別れるという展開に。
ここで2人の仲を取り持とうとするのが、事の元凶であったテッド。ジョンとの大喧嘩を経ての、展開は滅茶苦茶さもあるけど素敵。そのきっかけとして、ノラ・ジョーンズが登場する野外音楽場のステージに、飛び入りでジョンがロリに向け、出会った時に見た映画「オクトパシー」の主題歌を歌うのだが、ここでのウォール・バーグの歌が下手wそれが、歌手としても活躍しているウォールバーグらしい演技を含めての下手さなので、シチュエーションへの感想の他に、役者としての器用さに感心したりも。
2人の仲が戻ったところで、中盤に登場したテッドのファンの親子による誘拐が。ここで、序盤で語られる話す縫いぐるみとしてのテッドの人気というものがうまく使われる事に。そして、その酷い親子の手から逃げたテッドは、逃げる際の傷もあって遂に破けて真っ二つに・・・。ジョンとロリが縫い合わせるのだが、最後に復活する力となったのはロリの祈りであり、3人が揃った事で終わるというのは、この物語での最高のハッピーエンドなのだと思う。
ジョンとテッドは、序盤から「フラッシュゴードン」を見ているのだが、テッドが開いたパーティーにフラッシュゴードンを演じたサム・ジョーンズが本人役で登場するというサプライズ的な展開も。ラストのジョンとロリの結婚式の神父もジョーンズがやっていたりとかなりの重要なキャラクターであったが。その他、細々とトラマや映画のネタが散りばめられていたけど、ジョンの携帯から流れる着信音がベイダー卿やナイトライダーのテーマというチョイスで良かったね。