アウトロー

フォーラム1、評価★★★★
原題は「JACK REACHER」となるのだが、ジャック・リーチャーという退役軍人の物語。退役軍人と言っても、秘密捜査官であった男で、免許等の記録が無く軍を辞めているというのがポイント。
狙撃兵であった男が街中で起こった複数人の狙撃事件の犯人として挙げられ、以前にジャックに関わった事から呼び寄せる・・・というのがあらすじ。
その男の弁護をするヘレンと共にジャックが事件に迫るものだけど、ジャックは完成されたキャラクターである一方で、そのヘレンの視点がある事で物語が楽しめるというか。そして、ジャックとヘレンのロマンスは無いのではあるが、それ以上に"誰が敵なのか"という緊張感が続くので2時間超の物語も一気に観られた。
一気に観られた理由は、緊張感だけでなく、効果的に展開されるアクション。カーチェイスやガンアクション等、現在の技術でありながらも古典的な映画である気はした。とにかく、トム・クルーズのアクションが素晴らしいのね。
トム・クルーズ主演という事で、単純なヒーローもののイメージがあるかもしれないけど、むしろアンチヒーロー的なものとして面白かったな。<以下核心メモ>
狙撃事件は、被害者の一人であり、親から建設会社を受け継いだ女性を狙ってのもの。優秀な狙撃手が証拠を発見させ易い様に演じながらというもの。それをなす為に、犯人に仕立てたジェームズ・バーに射撃場で近づいたりと用意周到に。
それを裏で仕切ってた黒幕は、過去に収容所での苦難を経験したゼック。純粋な悪人で存在感はあるのだけど、いまひとつキャラクターとしての見せ方が弱かった気はしないでもない。そして、ヘレンの近くで暗躍してしていた裏切りものは、最初から事件の捜査に当たっていたエマーソン刑事という事で。
最後は、人質として囚われたヘレンの救出となるのだが、そこで助っ人となるのが射撃場で出会った元海兵隊員の老人。これが、危なっかしい活躍になると思いきや、銃撃する犯人グループへ的確な狙撃をするという活躍。
真実を明かすために逮捕させるべく追い詰めたゼックだが、最終的に撃ち殺すジャックの姿で、ヘレン等の事件の物語になっていたものを、一気にジャックの話に戻したな、と感じられるわけで。