ゼロ・ダーク・サーティ

フォーラム3、評価★★★★
アメリカへの同時多発テロ等を起こした、ビンラディン殺害の裏というか、そこに至るまでのCIAの姿を描く物語。
オープニングで、911の様子を黒い画面で音声だけで示すのだが、これが十分に惨劇が伝わるもので。
CIAの分析官であるマヤを中心として描くのだが、2003年から2011年までの流いスパンで、更にパキスタンからアメリカ本国までと舞台が広く、そして固有名詞が多数飛び交う物語であるので、正直混乱したまま観ていた。
ただ、中盤で同僚がアルカイダ幹部の自爆テロで死んだところから、ビンラディンを追い詰めようとするマヤの怒りを秘めた表情で一気に物語が進んだ様な。
そして、終盤の目標へのSEALsの突入。ここだけ別の映画というか記録映像的なものになるのだが、これまた恐ろしいものを含むもので。
フィクションを題材にしながらも、映画として見事にまとまった作品ではあった。ただ、情報に頭が追いついていないので、もう一度観て整理したいしたいというのがホントのところか。<以下核心メモ>
終盤で、タイムズスクエアに仕掛けられた爆弾に、目の前のテロ行為を重点に潰そうとする上司に、あくまでもビンラディンを殺す事にこだわるマヤの姿が印象的。やはり、冒頭で赴任された直後に捕虜への尋問に目を背けるマヤの姿を見せていた事から、ここまでの成長と心の変化が・・・と感じられるものなのだろう。
ビンラディン襲撃は、明らかになっていないステルスのヘリでの突入や、その一機の不時着とか、こんな流れだったのか、と。そして突入して確実に止めを刺す攻撃、更には女性までも殺す様子はショッキング。子供に手を出していないと言っても、その扱いは優しくない。
死体袋に詰められて基地に運ばれたビンラディン、それを確認するマヤの表情の強さが印象的。その強い表情があるからこそ、ラストショットで「これからどうするのか」と問われるのに涙を流す事しかできない姿が実に生きている。
ビンラディン自体の殺害シーンはあったけど、その顔は流石にはっきりと映る事は無かったね。