ワイルドスピード ユーロ・ミッション

フォーラム5、評価★★★☆
ワイルドスピード」の6作目。原題も"FAST & FURIOUS 6"とナンバー付き。
前作のラストで生きていると示されたレティを巡る話になるとは思っていたけど、思った以上にその比率が高く、その面からドミニクとその仲間達の"家族"としての物語がしっかり描かれたもの。それに対して、部下を部品として思わずに作戦を進めるショウという敵の存在が描かれる事で、ドミニク達の物語が際立つというものか。ブライアンとミアの子供が出てくるというのもポイントか。しかし、この子に対してドミニクとブライアンが自分達のクルマの趣味を押し付け様とする会話のところは、それぞれのキャラクターの成熟と相俟って面白い。パンフレットの監督等のインタビューにあったけど、4〜6は連作として考えていたという事を考えれば、その成熟も納得というところか。
そんなドラマ要素が強いのかと思いきや、そこはそれ「ワイルドスピード」。ロンドン市内での奇想天外なクルマとのカーチェイス、戦車対クルマの派手なバトル、ドミニクとレティの会話としてのストリートバトルと、基本的には派手なアクション満載というか。更に、格闘戦も派手になり前作に続いて登場のロック演じるホブスの肉弾戦は当然として、ミシェル・ロドリゲスと元総合格闘家ジーナ・カラーノの女同士の殴り合いとかが凄いというか。とにかく、話の展開よりも画面上のアクションとかギミックで変な笑いが止まらない映画だったのは確か。
物語はこれで外伝的であった3に続くのだけど、そこへの辻褄合わせも少し。そして、その3から繋がる次作への仕掛けが大きすぎてねぇwオープニングタイトルで、過去作品のシーンを使ったりと、総括的な話になるんだなぁ…と思った感情が最後でホントに吹き飛んだというか。<以下核心メモ>
レティの生死は、あっさりとあの襲撃の際に本人を直接撃ってなかったというオチでケリ。ただ、その衝撃で記憶を失った事から、ショウの手下として使われるという話。ここで、前作に出ていた悪者が登場して刑務所でのブライアンとやりとりとか、その話の為にブライアンがレティがそういう状況になったのは自分がおとり捜査に使ったせいだと後悔したりという流れがあるのは、ひとまずドラマとしての展開はいいのか。
途中に出てきた戦車とのバトル。戦車の圧倒的な走破性とクルマとの限界とかを見せて面白いのだけど、倒し方も面白いというか。ワイヤーで戦車と繋げたクルマの残骸を高架の下に落とすというのだけど、その残骸を押し出す挑戦の緊張感から、ひっくり返る戦車から飛ばされるレティをジャンプで受け止めるドミニクのバカバカしいカッコよさは正に映画。
最後のバトルは、ミアを人質にしたショウ達が逃げる為に用意した貨物機での攻防。クルマを使って、これを飛ばさない様にするための攻防がバカバカしいけど、途中に出てきたワイヤーガンを使う事で緊張感はあったか。そして、機内で繰り広げられるバトル、特にドミニクとボリスが敵の巨漢に合体技を喰らわせる辺りは実に気持がいい。…でも、この貨物機でのシーンは、クライマックスとはいえ少し長すぎた気もするのだけど…。そして、3へ繋ぐ必然性とはいえ、ハンと恋仲となったジゼルが死んでしまうのはテーマとか含めても残念。
そして、エンドロール前に3のシーンが描かれ、RX-7で爆走していたハンが事故で…というところで、ジェイソン・ステイサムの登場!!wショウの兄弟役という事だけど、この時点で既に次作が気になって仕方が無いという、実にズルイ引っ張り方だよなww