デビルマン

見直す為にレンタル。劇場で1度観たきりか。
改めて見ると、脚本のマズさとか撮影時のミスとか色んなところが目につく。何より、主人公たる不動明飛鳥了の役者がこんなに下手だったか…。明がデビルマンへの中間体でいる時に、右腕を前に出しているポーズがやはり気になって…構えというわけでも無いけど何故か最初から最後まで同じポーズという。
映画館で観た印象が強かったシレーヌ戦は実に短かった。と、いうより決着が着いてないし。そして、ジンメンは登場から戦うまでのシーンが細切れでもう。ただ、初回の印象と同様にジンメンのデザインは好きだな。
中盤からラストまでは、人々の悪魔に対する不信感と、牧村家に襲い掛かる災難となるのだけど、とにかくテンポが悪いというか、本来ならそれをきっかけにして激怒する明が描かれないとか、実に勿体無い唯のシーンの羅列。
そして、美樹との想いがある(と言うか、無理矢理思い出を作られた)教会で飛鳥了=サタンとの戦いへ。これが教会地下の謎空間から、いきなりハルマゲドン風の展開で、戦いの終末まで含めて「一応原作っぽいビジュアルにしたよ」という映像が流れるのはどうもね。
そんなハルマゲドン後の世界だというのに、ミーコと男の子のシーンでラストとは気が抜ける。若い登場人物を生かして、希望のあるエンディングにしたのだろうけど、ある意味そこまでの展開を全て台無しにしかしてない。それにしても、デビルマンとなって腕に溶解液を出す器官が出てきたミーコだけど、悪魔狩の舞台が迫ったところでその器官が消えて美しい光の羽が生えていたのには見直してビックリした。
改めて見ると東映の実写ヒーロー映画を作る時の悪い癖に、日本映画の悪い所を集めたものを合わせ技にしたもので、これはどうしようもないな…と、いう感想しか出なかった。こういうものも、確かに珍しい。
デビルマン [DVD]