ウルヴァリン SAMURAI

フォーラム3(3D)、評価★★★
ウルヴァリン単体映画の2本目。日本を舞台とし、マリコという女性を巡る物語という事で、先の単体映画の後でX-MENシリーズの前に位置するものと思っていたら、今までの関連シリーズで一番新しい物語となっていて驚き。他にも内容として、知識から予想をしていたものとだいぶ異なり、驚きを持って観られたという意味でも楽しめた。
今回は、ウルヴァリンの能力である治癒の力が無くなった…という状況で描かれるのだが、その弱さを持つウルヴァリンもまた魅力的。そんな状態だからこそ、今回の物語ではマリコと惹かれ合うという展開も納得できる。そして、最後には思ってもみなかったダメージを受けるウルヴァリンの姿というのは、マニアにはどう映るか判らないけども自分には素直にショッキングな展開として受け入れられた。しかし、「ファイナルディシジョン」でジーン・グレイを手にかけた後で、その幻影に惑わされるシーンが…というのは知っていたけど、あんなに多く出てくるとは思わなかった。
日本を舞台とした事での表現は、頑張ったところと可笑しいところが混在というところか。増上寺での撮影とかは見事だったけど、新幹線の表現とかは映画的というか。それ以上に、店内で暴れている奴がいるのに平気でパチンコを続ける日本人…って、そう思われてるのかな、と苦笑。
色々と粗削りで映画としての面白さはそれなりだけど、X-MENのシリーズ展開を繋ぐ物語としては楽しめる一本であったと思う。3Dで観たけど、あまりその効果は有効でも無かったかな?<以下核心メモ>
真田広之が登場しシルバーサムライに…という噂はあったけど、シルバーサムライは全くの別物。アダマンチウムを使ったロボットとして登場、と思いきや癌で死んだと思われた矢志田が延命して動かしていたパワードスーツだったとは。まぁ、ラストバトルのヴィランがヴァイパーでは盛り上がりが欠けると思ったから、矢志田の再登場自体には驚かなかったけども。その目的は、ウルヴァリンから治癒能力…不老不死の力を奪い取ること。その為に、シルバーサムライの刀がウルヴァリンの爪を折るシーンには素直にビックリ。その折れたところに爪の元となる骨があるのは、先の「ウルヴァリン」での設定を生かしたもの。そして、矢志田に止めを刺すのに骨の状態で爪が復元したのは面白い。骨の状態の爪といえば、冒頭の長崎でもちゃんとその状態だったのは当然か。しかし、新しい爪へのアダマンチウムの付加はどうするんだろう?
物語で治癒能力を失うのは、ヴァイパーが仕掛けた小型のメカを心臓に仕掛けられたせい。それを取り出すシーンは、その事で能力が復活し死ぬ事は無いと見ていられるいい展開。あと、能力が無くて傷ついた時に、マリコと逃亡した先のラブホテル入り口でのやりとりは、それが日本独特なものだと感じられて面白かったな。
マリコが登場する話と聞いて、真っ先に彼女はラストで死ぬのだろうと思っていたのだが、そんな事は無くちゃんと矢志田グループの後継者に付き、ウルヴァリンと別れる展開は意外だった。勿論、矢志田グループの日本での大きさの描かれ方を見れば、納得もできるけど。
そんなマリコと兵士である為に別れたウルヴァリンだけど、エンドロール間のおまけでマグニートーやプロフェッサーXとの再会が描かれるとは!これは次のファーストジェネレーションと絡む映画に繋がる展開になるのか?観ていてニヤニヤが止まらなかった。