機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争

未見の作品としてレンタル。
リリース当時はレンタルでも値段が高かった事もあるけど、NT-1の存在がずっと引っかかって見ていなかった。でも、少し前に買ったガンダム関連のムックでの説明で納得ができたので、そのうち見ようと思っていたもの。
ミリタリーものというより、タイトルの示す通りにアルという少年の視点から描いた戦争の物語として終始していた。ジオンの兵であるバーニィや連邦のテストパイロットでお隣さんのクリスとアルとの関わりは知っていたけど、ドラマの展開でサイクロプス隊との関わりが大きかったのは意外。更に、学校のシーンが多く、クラスメイトが多く出てきたのも意外であった。当たり前の子供達のやりとりが繰り広げられているというか。
それにしても、最初のサイド6への奇襲での能天気さには違和感を感じた。いくら中立サイドで戦闘が無い前提の感覚とはいえ…と思っていたのだが、終盤でのクリスマスムードの街並みや、大きな被害を出し学校も壊された戦闘後のアルと友人達との感覚の違いを見ると、そのギャップの為の演出でもあったのだろう、と。
この作品は「逆襲のシャア」以降で初めて富野監督以外が手がけたリアル系のガンダム作品なのだけど、物語の展開や、画面の作り方等に、どこまでやっていいのだろうと手探りをする様な雰囲気が漂ってるのが印象的だった。F91と同時期の0083みたいに吹っ切れた感覚の無い、独特の柔らかさを持った様な宇宙世紀ガンダムは、むしろそんな時期だからこそ出来たのじゃないか、という事で。あと、美樹本さんの絵の雰囲気をあれだけ持ったまま作り上げたのは素直に凄い。
今まで見てなかった事を後悔するというわけでもないが、ガンダム作品として見て良かったと思ったのは確か。
DVDの特典として、川井憲次さんの音楽に乗せてそれまでのガンダムが動く、0080の告知的なショートムービーが入っていたのだが、ここに描かれるガンダム達が実に躍動的でカッコよかったな。
機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 vol.1 [DVD]