太陽の王子 ホルスの大冒険

未見の作品としてレンタル。
先に読んだ「作画汗まみれ」に関連した作品として視聴。そんなわけで、アニメーションとしての動きに注目して見ていたのだけど、これが良く動く。広い背景の上を駆け回るシーンとかは、素直に感嘆するしかないというか。その一方で、盛り上がりそうなシーンで止め絵の連続になるのだけど、それが制作の都合によるものと判れば納得できるというもの。
物語は"ボーイミーツガール"ものかと思ったけど、タイトルにある通りに少年ホルスの物語であり、悪魔との戦いを描いたもの。勿論、ヒロインとなるヒルダとの出会いは重要であるけれど、それは物語の転換点であり、悪魔の妹でありながらホルスと会って村で暮らすようになってからの葛藤等はヒルダの物語とでもいう様な。ヒルダの登場や村長等とのエピソードで人の妬ましさや疑いの心を描くと共に、ホルスの真っ直ぐさやヒルダを慕う少女、そして結婚式を迎える若いカップルを通して、人の優しさや愛おしさを描いていた。人間の感情を存分に見せた物語の厚みは、宮崎・高畑コンビによるものらしいが、今見てみるとその意図はよく判る気がする。それにしても、ヒルダの歌は美しいな。
"まんが映画"として動物が喋ったりミュージカル的な要素もあったりと戸惑うところもあるけど、冒険ものとして、そしてアニメーションとして、今更でも基本的な作品として見て良かったと感じられるものであった。
しかし、この映画の予告は終盤の肝となるシーンまで見せてて、やりすぎだよなぁーとは思った。
太陽の王子 ホルスの大冒険 [DVD]