TIGER & BUNNY The Rising

イオンシネマ1、評価★★★★
タイバニの完結編となる映画。テレビのラストで曖昧だったウロボロスとの対決が軸になると思いきや、シンプルにその後を描いた物語であった。ただ、シンプルとは言っても、TVシリーズで紡がれたヒーロー達の繋がりや、父母への恨みでヒーローになったバーナビーがその仇を討った後として…という感じでポイントを押さえているので、期待以上にスッキリ観る事が出来た。何はともあれ、虎徹のキャラクターがあってこその物語なんだよな、と。
そんな予定調和に入り込むのが、アポロンメディアの新オーナーであるマーク・シュナイダーと、彼が連れてきた新ヒーローのライアン。これらのキャラクターの役割が面白く、ジャスティスデーで女神の神話を模した犯罪者との戦いというヒーローの活躍の場で、物語を進める要素になったというか。
とにかく、虎徹のバーナビーのそれぞれのヒーローとしての違いと共通点という、タイバニとして実にストレートな物語であり、素敵なヒーロー賛歌であったので素直に楽しむ事が出来た。まぁ、欲を言うなら虎徹とカリーナの関係の描き方が不完全燃焼だったくらいかな?<以下核心メモ>
女神の神話を模しての騒動は、新オーナーの秘書であるヴィルギルが、会社の買収のうえに自殺に追い込まれた事の復讐を果たすためのもの。ここで、バーナビーの敵討ちが対比として挙げられ、それを始末しようとするルナティックの行動にも繋がるという。ヴィルギル自信も、物体を集めて巨大なメカの様なものを作り出す能力をもったNEXTであるのだが、それにとどめを刺すのがタイガー&バニーのグッドラックモードというのが熱い展開。そこまでも、タイガーの短いパワー発動時間を考慮しての展開というのも、これまた面白い。序盤で考え無しに使ってバーナビーに怒られたのを踏まえ、最高のタイミングまで取っておいたという事もふまえて。
カリーナと虎徹の娘である楓の、虎徹を思って動くという関係も面白かったのだが、ブルーローズからの招待でジャスティスデーを見に来た楓が、周りで動いてるヒーロー達を気にしてるのを見て、ワイルドタイガーとして送り出すシーン、ここで虎徹が母に似てきたと言うあたりで、カリーナとの関係は深く描かないんだな、と思ったり。それでも、眠りで暴走したファイヤーエンブレムの炎を能力で抑えているカリーナと、消火器を持ってきた虎徹のやりとりなんかで、テレビ以上に近くなった距離感は感じられたけど。