エンド・オブ・ホワイトハウス

未見の作品としてレンタル。BDでの視聴。
日本での劇場公開時には、同様にホワイトハウスの襲撃を描いた「ホワイトハウス・ダウン」が同時期にあったので、だいぶタイトルが混乱していた作品。原題は"Olympus Has Fallen"という大統領官邸が陥落した事を示す言葉なのだけど、日本人にとっては邦題のほうがしっくりくると思える。
事件が起こりまでの描写が長く、主人公であるマイク・バニングが冬に起きた事故で大統領夫人の命を救えなかったくだりが丁寧に描かれ、以降の大統領やその息子との関係性をくどく説明する手間を省くなど、テンポはいい。
どうしても先に観ていた「〜ダウン」と比較してしまうのは仕方がないところではあるが、飛行機の侵入から始まるホワイトハウスへの攻撃は凄惨なもの。その、周辺の人々を巻き込む容赦の無い描写にはただただ恐怖があるのみ。
この映画で面白いのは、襲撃してきたテロリストが北朝鮮に関係しているという事。北朝鮮の荒んだ状況を、ケルベロスというシステムを発動させ核弾頭をサイロの中で爆発させる事で、アメリカにももたらそうという壮大な計画には。執念と狂気を感じる。そのリーダーであるカンを演じたのは、「ダイ・アナザー・デイ」でこれまた北朝鮮に関連する敵を演じたリック・ユーンなのだが、やはり彼の鋭さは知的な悪役に相応しい。
事態はジェラルド・バトラー演じるマイクが戦闘能力の高さを孤軍奮闘し、テロリスト達を追い詰めるのだが、最初は大統領の息子を助けたりと隠密作戦で進めるていたのが、後半で自分の存在が知れると容赦なく銃で打ち倒していく様は豪快で爽快なもの。孤軍奮闘と言いながらも、執務室から確保した衛星電話で対策室との連絡は取れるし、所々で軍の的確なバックアップもあったりと、ハラハラしながらもアメリカの強さを垣間見て安心する事ができる展開は面白いかった。
同時期に同じ様な映画が公開されていたわけだけど、だからこそ監督の意図とかで描き方に差がある事が楽しめたんじゃないかと思うもので。
エンド・オブ・ホワイトハウス [Blu-ray]