機動戦士ガンダムUC episode7「虹の彼方に」

ガンダムUCのアニメ版第7巻で最終巻。カトキハジメ描き下ろしフルアーマーユニコーンのスリーブが付属。
映像特典の多い初回限定版もあったのだけど、基本的に本編が見られればよかったので、通常版での購入。でも、小説版のプロモーション映像だけは欲しかったかも。


最終回で、今までは1時間弱であった尺が、90分へと大きく拡大。
宇宙世紀の始まりからと、大きな風呂敷を広げた物語ではあったけど、シンプルにバナージとミネバを軸にした締めくくりという事で、人の可能性を示した物語としては優しい着地点だったんじゃないかと思える。元々、「逆襲のシャア」や「ガンダムZZ」を受けた物語ではあったけど、さすがに今のバンダイサンライズの看板となるガンダム作品らしく、"ガンダムとしての要素"を惜しみなく盛り込んでのお祭りという感じが最終回でさらに強くなって、見終わった時には祭りの終わりを感じたというか。
物語の事はさておき、この最終回は色々なMSが登場するとは漏れ聞こえていたけど、想像以上の多彩さ。"動く戦争博物館"という台詞の飛び出した4話でも凄かったけど、それを超えるサービスっぷりにはただただ脱帽。まさかこんなものが…という喜びもあれば、1シーンだけでも印象を残すものもあるという。まぁ、プラモの発売なんかで話題になっていたものが、全く活躍しないとかいう逆の意味でのサプライズもあったのだがw
そして、フルアーマーユニコーンバンシィの戦闘シーンなんかは、よく動かしたものだと。むしろ、この密度であれば短期間で仕上げてきたものだ、と感心するばかり。まぁ、ユニコーンの超兵器っぷりには笑うしか無いのだけど。


久しぶりに4年間という期間を追いかけたOVAではあったけど、終わったところでは満足。この最終巻の90分という時間も、見ていると気にならないものであったわけであるし。
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一応、シリーズ全体での感想。
4年という期間をかけて、その期間の"正当なガンダム"としての看板としてあったのだけど、やはり"よくできたガンダム的なもの"という感覚はある。先日見た「0080」の最初故の手探り感、「F91」の裏で開始したせいかMSの出し方や空白期間の埋め方を提案する様な「0083」とは異なり、最初から"傍流だけども主流を作るよ"という勢いはずっとキープしていたと思うし、商売的にも面白い広がり方をしたんじゃないかと思える。
物語も、富野監督が関わって無い故の真っ直ぐなニュータイプ話を展開するのだけど、「逆襲のシャア」をダムの上限としているのが見えつつも、可能な限りの大きな話にしているのは面白い。そこに、ガルダコロニーレーザーグスタフ・カール等々のピースを嵌め込んで、"オールドファン"を掴んでいたよな、という感じ。
勿論、宇宙世紀の始まりや宇宙世紀憲章の内容や秘密の暴露を描いた事で今後の宇宙世紀の設定が狭まるんじゃないかという心配や、サイコフレームの万能さ…特にラストでユニコーンが結晶化する事や腕を振るうだけで敵をしりぞけるとかのあまりにもやりすぎでお腹いっぱいな演出もあるけど、それこそが"傍流だけど主流"らしさなんだろう、という事で納得はしている。
とにかく祭りは終わった。後は好きであればDVDやBDを手にして、繰り返し見ればいいんじゃないか…という作品になったよね。ひとまず、自分は繰り返し見るのは間違いないであろうけど。