ホビット 決戦のゆくえ

イオンシネマ3、評価★★★☆
PJ版「ホビット」の最終章。原題は"THE BATTLE OF THE FIVE ARMIES"という事で、"五軍の戦い"を表したものだけど、この邦題も悪くない。
前作が途中で切った様な終わりだったので、今回は序盤からスマウグ 戦のクライマックスという熱い展開。まぁ、ここでの惨事を描く事で人間達が五軍の戦いに参加するのに自然な流れになるから、この分け方で良かったのかと思える。
今作では完全に五軍の戦いを物語の軸として、トーリンの王としての存在や、ビルボとの友情を描いたもの。トールキンの原作では意外にあっさりと、そして牧歌的にも思える雰囲気であった感もあるのだけど、PJ版中つ国の世界を広げる集大成という感じで風呂敷を広げた印象であった。それは映画として悪い事では無いのだけど、あまりにもレゴラスの存在感が大きすぎて。
盛大に描かれる戦いも素晴らしいけど、やはり帰途につくビルボとガンダルフの姿や、ホビット庄の美しさに最後でホッとさせられる流れになったのは、やはり嬉しい事だな。<以下核心メモ>
ドワーフ達は、原作通りにトーリン,キーリ,フィーリが命を落とすという。キーリはエルフのタウリエルとのロマンスがあったのでどうなるかと思ったけども、その流れは流石に変わらず。トーリンの死はビルボに看取られ、その友情を確かめつつという事で、この映画はビルボとトーリンの友情という軸があったのだと思える。途中、ビルボよりもトーリン達の方が存在が大きくなってどうなる事かと思ったけど、いい着地点だったのでは。
今回のサプライズは、ガラドリエルの登場。出てくるだけではなく、復活しつつあるサウロンをその力で退けるという活躍まで。まさか、ガンダルフの囚われてる地まで出てくるとは思わなかった。東に去るサウロンを見るサルマンの表情も素晴らしい。
レゴラスはエルフの森に帰る事を断るのだが、スランドゥイルは、王となる男…アラゴルンを探す事をアドバイスするのだけど、ちょっとやり過ぎな気もしないでもない。まぁ、あれだけレゴラスが活躍してれば、そこを言うのは野暮か。
年老いたビルボはラストシーンでのみ登場。帰ってきたシーンでは指輪の影響が小さい様に見えて、イアン・ホルムが出てきたところで指輪の影響が強い事を感じさせる演出はLOTRに繋がるものとして嬉しい。ちょうど、ガンダルフが訪ねてきたところという事も含めて。