ベイマックス

テアトル1、評価★★★★★
マーベルのコミックを原作としたディズニー作品。内容はだいぶ変わっているらしいけど、ディズニーらしさとマーベル原作らしさがキレイにまとまった快作。"心を癒すカワイイロボットと少年の交流"という感じの宣伝がされていたけど、紛れも無く原題の"BIG HIRO 6"の通りにヒーローが活躍する物語。
予告の印象だと、主人公であるヒロの兄であるタダシは死んでいるところから始まるのかと思っていたが、ちゃんと兄弟の関わりが描かれていて、それがあるからこそヒロが戦う理由も明確になるし、ベイマックスのキャラクターも生きるというもの。その序盤でタダシの大学にヒロが行く様が描かれ、そこで一気にキャラクターを見せつつヒーローとして活躍させる下準備もバッチリとなるのだが、そのシークエンスだけでももうワクワクが高まる感じ。
なんだかんだ言っても流石ディズニー作品というところか、サスペンスも冒険も素敵なバランスで、且つ2時間弱というコンパクトな尺もあって一気に観る事ができた感じ。
今回は吹き替え版で観たのだけど、日本公開版として弄っているところが多かったのは少し残念なところだったかな。<以下核心メモ>
タダシの死を追いかけるヒロではあったけど、その原因となったのはタダシを教えていたキャラハン教授が、ヒロの作ったマイクロボットを奪うために仕掛けたもの。その裏にハイテク企業オーナーであるアリステアによって娘が異次元に飛ばされて失った為の復習という目的はあったのだが。
キャラハンとの戦いで、怒りにまかせたヒロはベイマックスのケアロボットとしてのメモリを外して、戦闘のメモリだけでキャラハンを殺そうとするのだが、ベイマックスはチームの友人達も含めて傷付けようとする事に。その時のベイマックスは眼も赤く光り、「アイアンジャイアント」でのジャイアントの暴走を彷彿とさせる雰囲気もあった。
キャラハンとの最後の戦いで、彼が持ち出した転送装置の先にキャラハンの娘が居ることを発見したベイマックスはヒロと救出に向かうが、戻りでベイマックスは飛行不能となりヒロとキャラハンの娘だけを助ける為の犠牲に。でも、その為に打ち出したロケットパンチにケアロボットとしてのメモリを握らせて飛ばしたので、それを元に復活するのだが、このあたりは実にアメリカ映画らしい優しい演出で大好き。
ディスニー作品だけど、スタン・リーもちゃんと登場する嬉しいサプライズもある。最初はフレッドの家に掲げられた絵に描かれているだけかと思ったら、エンドロール後に動く姿で登場。ここでちゃんと台詞があって、当人が入れたとか。今回、吹き替え版で観た事を残念に思った瞬間であった。エンドロール後のおまけ映像というのも、マーベル映画らしい演出でもあったわけで。