ワイルド・スピード スカイミッション

テアトル2、評価★★★★
シリーズの最新作であはあるのだけど、その撮影期間中に主役のブライアンを演じるポール・ウォーカーじゃ事故で急逝したという事もあり、追悼作品という雰囲気もあるものに。ブライアンがシリーズから退場するような流れを作りつつ、ラストシーンで明確な別れを見せるというもので、少しホロリとさせられる感じ。
でも、それだけでなくシリーズらしさも盛り込んで、更にパワーアップさせているのが面白いところ。何せ、前作のラストから敵として登場すると宣言されてのがジェイソン・ステイサムなのだから。その期待を裏切る事無く、凶悪な顔に相応しい悪さを全開にしたステイサムに対し、筋肉の双璧とも言えるヴィン・ディーゼルドウェイン・ジョンソンが、肉体を駆使しての格闘を見せてくれるのだから、こんなに面白いものは無い。更に、ポール・ウォーカーに対する敵として登場するのがトニー・ジャーで、その運動能力を生かしたアクションを存分に見せてくれたりも。トニーは、途中で銃器で武装しているのだが、「違うだろ!」という観客側のツッコミに応じるかの様に武器を捨ててアクションを見せてくれるのだから。そして、女性陣としてもミシェル・ロドリゲスが、これまた待ってましたと言いたくなる格闘を見せてくれたりで。
銃器や格闘の量が増えてはいるけど、勿論クルマの見せ場も十分。バンバン走って、ドンドン壊す・・・人気タイトル故の力を感じるというか。飛行機からのクルマでのダイブも良かったけど、やはりラストバトルの無理矢理感が素晴らしい。
ポール・ウォーカーの事もあって、今までのシリーズを振り返る様な流れではあったけど、逆に今までの要素をここまでまとめたものだと感心するくらいの面白さは確かにあった。<以下核心メモ>
ステイサムが演じるデッカード・ショウ、ドムとの格闘の末に仲間であったヘリの銃撃で脆くなった建物が崩れた瓦礫の下敷きになったのだが、どっこい生きててCIAの秘密の留置所に拘留されて終わるという結末に、少しニヤリとしたり。
ショウを追い詰める為に、ドムが取引としてハッカーラムジーを救出するのだが、それが脇道のミッションデなく"神の目"という情報収集システムの争奪戦が軸として成り立っていたのが面白い。デジタル駆け引きの表で、派手な戦争にカーアクションというセンスこそが、この映画なのだろうと。
序盤でショウに襲われたホブスが入院しており、このまま出番は終わりか・・・と思ったら、ちゃんとラストバトルに参加して、救急車を落として無人攻撃機を落したり、無人攻撃機から拾ったガトリング砲をぶっ放したりと、出てなかった分を取り返す勢いのだ活躍。活躍も凄いけど、病院から出る時に筋肉の力で内側からギブスを砕いたあたりで、既にお腹いっぱいというかw
ラストは、ドム達"家族"が海でのんびり過ごす姿が。そして、ブライアンとミアと息子の3人を見守る皆・・・という構図になり、その本当の家族を守るために去っていくドムという演出。でも、クルマで走り出したドムが停止した交差点で、隣にやってくるのがブライアン、「さよならも言わずに行くのか」とブライアンが行って2台のクルマが競うでも無く併走・・・と思いきや、道路の分岐で2人が完全に分かれカメラはブライアンのクルマを上空から追いかける・・・という、ラストシーンは余りにも象徴的でやりすぎとも言えるものではあるのだけど、やはり涙を押さえる事はできなかった。その間に、これまでのシリーズのブライアン等の映像が挟まれた事もあるのだけど。まぁ、細かい事を言えば、最後にブライアンが乗っているクルマがスカイラインGT-Rではなくスープラだったのが残念ではあったのだが。