バンダイ 1/72 Xウィング・スターファイター&タイ・ファイター

発売開始から時間も経ち、着々と製品点数も増えているバンダイ製「スターウォーズ」のプラモデル。年末に新作となるエピソード7が公開されるのに向けて、全体的にSWに対しての気分が盛り上がっている中で、順調に展開しているイメージ。
Ep7の予告を見た事での盛り上がりもあって、気になっていた"バンダイのSWキット"を購入し作ってみた。バンダイと入れ替わる様に販売を終了したファインモールド製や、SWのモデルとして古参となるmpc製のキットはほぼ馴染みが無いので、それらとの比較は出来ないので、そういう視点では見られないのだが。まぁ、そもそも自分自身がSWをちゃんと見たのが「特別編」の公開時で、Ep1〜3も素直に観た方であるので、"マニア的な視点"というものは無いけど。
今回購入したのは、1/72の「Xウィング・スターファイター」と「タイ・ファイター」。どちらも作る時のルールとしては"パーツはニッパーでの切りっ放し""塗装は部分のみ""マークはデカールで可能な限り使用する"という、簡単フィニッシュで進めた。

Xウィング・スターファイター

結構色分けが多い機体だけど、そこはバンダイらしいパーツ分割とデカールにて対応。パーツ分割が細かすぎてちゃんと組まないと全体の印象から変わってしまう恐れがあるので、スナップフィットのキットでも要所は接着したほうがいい気はする。まぁ、パーツ分割は色の再現と共に、SWらしいディティール再現の為でもあるので、それを踏まえれば十分楽しめるハズ。
少し大き目のデカールが多いけど、意外にこのデカールが扱い易くて、心配していたレーザー部のゼブラ模様も失敗する事無く貼れた。まぁ、キャノピー周りとかは大変ではあるけれど。


・翼を閉じた状態
今回はプロップ風の枠のみのキャノピーとして、完全に固定化。


・翼を開いた状態
まさにXウィングの名前にふさわしい状態。
開閉に関してパチ組だと擦り合わせが気にならないバンダイらしい精度だけど、コート剤を吹いただけでも、翼の付け根の後部が擦れる様になったので無理矢理調整した。
翼の内側に、閉じた時にロックとなるダボと受けがあるけど、元々情報量が多いので気にならないレベルだと思う。




・着陸脚の展開状態
カバーも含めて差し替えで着陸脚を出しての着陸状態にする事も可能。
スタンド用穴の蓋も含め、これまたコート剤を吹くとキツくなりすぎるという。一度嵌めたものが外れなくなったかと思う一幕も。


R2-D2は取り外して歩行状態にできるもの。
このR2-D2へのマーキングで、このキットのマーキングの素晴らしさを実感できた。頭は銀色に塗ったけど、それ以外はデカールのみで、みるみる見事なR2-D2になっていくという。モールド自体もしっかりしているから、塗ってもしっかり仕上がりそうだけど、これはホントにデカール貼りが楽しかったもの。

タイ・ファイター

最大の特徴である両脇のソーラーパネルのパーツ分割が心地いい。少ないけど的確なパーツ構成で、あっという間にパネルが形になるのは心地いい。勿論、色の塗り分けまでされてるんだから。但し、絶妙なパーツ構成でも、特に外枠のところに不安定さがあるので接着してしまったほうが精神的に良いかも。スナップフィットなので当たり前だけど、完成後でもソーラーパネルを外せばコンパクトになってパッケージにしまえるのもまたいい。
こちらのキットはデカール貼りが難儀した。コクピットまわりの色分け部分はマークソフターを使っても密着しなかったから諦めたし、こいつにあったのかと思う注意書きを貼る指定は読み辛いし・・・と。(完全に貼る方向を間違えたものも)
成型色はプロップより青味が弱い感じだけど、無難に仕上げているという印象。画面からの印象には近いから、多くのユーザーにとっては正しい選択なのだと思う。



細部も心地良いディティール。
後ろ側にあるモールドで、シャーマン戦車の足回りの部品をプロップでも流用している箇所、パーツ状態で「そのまんまシャーマンの足回りじゃないか」と苦笑したのだが、それを取り付けた瞬間に流用パーツではなく構成するモールドに変わるという、プロップ製作の追体験の様なものも出来て楽しめた。


とりあえず2つのキットを作って思ったのは、バンダイらしいパーツ構成と面白さのあるSWキットだなぁ、という事。スナップフィット化でかなり敷居は低くなっているとは思うのだけど。
ただ、敷居を低くする為にもマーキングはデカールとシールが入っているのだが、このシールでキレイに仕上げるのは至難の技だと思う。追従性のあるホイールシールならまだしも、テトロンシールではモールドには対応できないよね。それでも、多くのユーザーに手にとってもらうには必須な選択肢ではあるのだろうけども。一方のデカールもマークソフター無しではちゃんと貼れないものがあるからなぁ。そういう意味では、この2つのキットでは色分けが比較的気にならないタイ・ファイターのほうが気軽に作るにはお勧め、という事になるか。
でも、店頭の在庫を見る限りでは、やはり売れてるのはXウィングなのね。それでSW関連のプラモは面倒だと思われるとか、他のキットが売れずにラインナップが寂しくなるという事にならないといいのだけど。
まぁ、なんだかんだ言っても、バンダイという大きなメーカーがやってくれた事で、手にし易さは上がってるハズだから、順調に売れてシリーズをどんどん広げて欲しいものだよね。ひとまずは、バンダイの作るミレニアムファルコンが見たいでしょ!(あんまり大きいのは買えないけどw)




余談だけど、このシリーズのパッケージは天神英貴さんの素晴らしいイラストが飾っていて、これがまたSW的だけど独特の雰囲気も持っており、塗装や仕上げの参考として面白いものだと思っている。