テアトル8、評価★★★★☆
「M:I」の5作目。予告からまたしてもIMFの存続の危機を描く物語なのか・・・とは思っていたけど、期待以上に直球のスパイ映画。"シンジケート"と呼ばれる組織が敵になるのだけど、IMFに関わる組織としてCIAにMI6とくればワクワクしない筈は無いというもの。
それだけのスパイ組織が並べば、誰が味方で誰が敵かという展開になるのだけど、特にその役割を果たしていたイルサの存在が面白い。魅惑的でありながらもエージェントとしても強く、イーサンとどんな関係になるのかハラハラさせられる展開も。まぁ、イーサンは3本目から4本目で奥さんの存在を明確にしていたけど、それを踏まえてか気持ちのいい展開になっていたという。
イーサンのチームは、これまでのシリーズから結集した総決算的なメンバー。ブラント,ダン,ルーサーと最高のメンバーが最高のミッションをこなしている感じ。エージェントとしての活躍は勿論だけど、各キャラクターの個性を生かした笑いの要素も実に絶妙。特に、ジェレミー・レナー演じるブラントは、前作では複雑な思いを秘めていた事もあるけど、今回は完全にエージェントとして動いているので、その表情や仕草に余裕があって面白い。そして、CIAのハンリーを演じたアレック・ボールドウィンの不敵な存在感ときたらもう。
決着のつけ方も往年のテレビシリーズを髣髴とさせるもので、気持ちよく一気に見られる作品に仕上がっていた。<以下核心メモ>
エルサの正体は、MI6のスパイでシンジケートに潜入捜査していたというもの。そして、そのシンジケートはMI6の長官が首相に禁じられた計画を進めて立てた、英国に仇をなす脅威を取り除くために世界中のエージェントを集めたものという。そして、厳重な金庫から盗み出したファイルに隠された、シンジケートを運営する為に準備されていた莫大な資金に関する情報を巡る戦いという事に。
シンジケートのリーダーとして立っていたのがソロモン・レーンであり、残酷な破壊も厭わないという実に悪役らしい悪役。多数の部下を動かす彼を、イーサンは資金に関するデータをネタにおびき出し、1対1の最終決戦に。でも、ここで今までの映画のシリーズとは異なり、イーサン達チームの罠に仕掛けて殺さずに捕らえるという展開。この、トリックが実行されたシーンの気持ちよさ、これこそが「ミッション:インポッシブル」であった筈だよなぁ、と。
ラストシーンは、それまでのイーサン達の活躍で、ハンリーが主張していたIMF解体を作戦の為だと言って翻し、そして新しいIMF長官になってるという、なんかニヤリとする心地いいものであった。