「寺田克也 ココ12年展」を観てきたよ


福島ガイナックス内にある展示施設の福島さくら遊学舎にて開かれている、寺田克也さんの展示会を観に行った。
一昨年に京都にて開催された「ココ12年展」という展示会を"パワーアップさせた"展示会という事だそうで。


過去に描かれたデジタルのイラストを襖の大きさに出力し、立てかけて展示するというもの。イラストの内容も多岐にわたるもので、極端にエロティックな作品以外は、ジャンルとして網羅していたのじゃないかという感じ。
普通の印刷物では見た事がある様な作品も、大きくするとインパクトが違うというか。インパクトもあるけど、大きくしても間延びや粗さが無くて見応えは十分。


個人的には襖4枚に渡るワンダーウーマンや、BRUTUSの表紙を飾ったアベンジャーズにアメコミ表紙のウルヴァリン、映画の入場特典にあったジプシーデンジャー等があったのは嬉しいところで。
メインは襖の形での展示であるけれど、極最近の絵はデジタルサイネージでの展示もあり、これまた面白いものであった。
あと、漫画の生原稿と共に、落描きが雑多にまとめてあるコーナーが面白かった。寺田風のスティーブ・ジョブズのユーモアとか、ヘプバーンの可愛さとか、有名人を描いた落描きが実に印象的。
なお、会場は一部の作品のみ撮影可。展示作品の殆どは、入場時に貰える新聞状のパンフレットに解説が。


本来なら、平日にのんびり行こうかと画策していたこの展示だけど、祝日の今日行ったのは襖絵を描く"ライブドローイング"があったから。他の人の展示会の様子をネットで聞いていてたまに見かけた実演、しかも寺田さんのものが見られるとあっては、そのタイミングで行かない手は無いという事になるわけで。
11時からのスタート。想像以上に飄々として腰の低い雰囲気で登場。用意してあったまっさらな襖に向かって、油性のマジックでおもむろに描画。判ってはいたけど、アタリもとらずに描き、何も無いところに存在感のあるものが出来てくる不思議さというか。

描いてる様子も左手をポケットに入れて飄々と。脇にある手書きのインフォメーションもまた、いい雰囲気。

全体を描くのではなく、部分的に情報量を増してゆく。頭の中にある完成形をアウトプットしていくという雰囲気に見えた。細かい描線も部分毎に追加して、それぞれのパートで立体感が生まれるのは面白いとしか言い様が無い。
他の絵を見ても思う事だけど、様々な物の形が染付いているからこその描画なのだろうというのは実際に描いているところを目にすると感じられるというもの。


でも、一気に全体を描く流れになると思ったのだけど、時折距離を置いて眺めて構図を考えたり確認したりしていた。「どうしようかな?」と呟いていたのが印象的であった。
まぁ、そうした後にはおもむろに描き始めるターンになるのだが。

お昼過ぎまでの時間になったけど、ホントにいいものを見させて貰ったというもの。まぁ、自分の参考にとかいう事では無いけど、これから絵を見るにあたって、今回見た描画から想起するものもあるのかなぁ。


この三連休の期間で、1日1枚を描いていたのだけど1日目の作品がこちら。

2日目となる昨日の作品がこちら。

今日の作品は完成まで見なかったのだけど、後日完成形を観に行きたいな。


アニメーションに関わる福島ガイナックスが三春の地に来たからこそできる展示、近くの人は訪れても損は無い・・・どころか面白いものが観られるので、是非行って欲しいところ。年明けの1月末まで期間があるからね。