仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス

テアトル7、評価★★☆
冬のライダー映画で、今までは2つのタイトルの映画を別々に作って最後にまとめる方式であったものが、初めからクロスオーバーした形での構成に。そのおかげで、映画としての流れの無理矢理感は無くなった。但し、テレビ本編でも切り替え時期にクロスオーバーしていたのに、そういう雰囲気も全く反映されておらず、更に両方のテレビシリーズからの要素をなんとか盛り込もうとした為に半端になったり流れが途切れたりと、とても褒められた内容では無かったのは確か。過去に行くという、お決まりになったパターンでのドラマに、更に整理されていないという雰囲気もあったと思う。
そんな雰囲気の中でのドラマでも、進ノ介とタケルのコンビは良かった。ヒーローとしてだけでなく、人間としての先輩後輩という雰囲気がこの映画を盛り上げていた気がする。そして、進ノ介と霧子の関係の描き方もなかなかに素敵なものであったと思える。変身しての並びも素敵なところがあったし。下手に過去に行かずにそのあたりを盛り上げられれば良かったのにというものであった。
とにかく、面白くなりそうな題材を上手く生かせなかったという感じの作りになっていた。<以下核心メモ>
2人のライダーが、過去に行き幼いアカリのダヴィンチへの想いから生まれたダヴィンチ眼魔と戦うという事が軸に。ただ、アカリが眼魔にさらわれたという記憶が無いという安直さや、10年前に生まれてタケルが15個のアイコンを集めるのを待つという設定の不可思議さ等、脚本としては首をかしげるところが多い。過去に戻って、眼魔に父が殺されるのを止めたり、幼い自分自身に喝を入れるという事は面白いのだけど、気になるところが多すぎて素直に楽しめない。
片岡鶴太郎演じる本願寺が量産型ライダーに変身してロイミュードに殺された後、竹中直人演じる仙人に追い返されて生き返るという流れ、2人の個性的な俳優を使って面白いシーンを撮ろうとしたのだろうけど、あれは完全に蛇足であったと思う。流れを完全に切ってしまっていて、内輪受けになっていたというところか。
ラストバトルは、ダヴィンチがラファエロミケランジェロを交えて巨大化するのだけど、まぁいつものパターン。それにしても、現代でベルトさんがちゃっかり出てきた情況がよく判らなかったのだけど。
ラストで過去からタイムカプセルを使って進ノ介が送った婚約指輪を霧子が指にはめ、それを見た進ノ介がガッツポーズをするシーン、そしてエンディングでの結婚式からライダー同士の握手という流れは最高であった。このラストの演出があったから、観ていて最後に救われた気になるものであるというか。