バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生

テアトル3、評価★★★★
かなり前から話が挙がりつつもなかなか実現しなかった、このタイトル。「マン・オブ・スティール」の流れを受けてワーナー&DCのタッグでやっと形になったもの。
物語としては「MOS」の続編というか、視点を変えたところでの物語から始まるもので"スーパーマンの物語にバットマンがいる"という形になっていると言ったところか。予告からワンダーウーマンの登場は明かされていたけど、それを踏まえて見事なまでに「ジャスティス・リーグ」に向けての大きな踏み台を作っていた感じ。とはいえ、スーパーマンを軸としているので、その強すぎる力の対する人々の反応が描かれ、その一つとしてブルース・ウェインの活躍が描かれるというところか。なんというか、MCUでの「アベンジャーズ」以降の単体作品の雰囲気に近いというか。
少し長めの尺であるのだけど、ドラマは濃密なのでその長さは気にならなったか。スーパーマン側もバットマン側もいい按配で描かれていたし。そして、その間に立つ事になるレックス・ルーサーの悪役っぷりが見事で、その悪さが際立つからこそサブタイトルの意味するところも見えてくるというもの。
2大ヒーローの競演だけでなく、その先のワクワクも感じさせてくれる映画として実に満足。ただ、「MOS」との繋がりが強すぎるので、予習が必要ではあるのかな。<以下核心メモ>
スーパーマンを自前の軍隊を用いたりして陥れようとするレックス・ルーサー。スーパーマンの養母をさらってバットマンを殺させようとしたり。しまいには宇宙船の力を用いてゾッド将軍の遺体に自らの血を混ぜてドゥームズデイを生み出したりと、なかなか徹底した悪役っぷりは見事としか言い様が無い。でも、ドゥームズデイを作り出す手順については、ちょっと唐突だった様な気がしたのだが。
圧倒的過ぎる力を持つスーパーマンに対し、バットマンがどうやって渡り合うのか?という疑問があったのだが、そこで登場するのがクリプチナイト。その力で弱まったスーパーマンとの殴り合いは見所。アーマー状のスーツだけでは説得力が無いもの。そして、とどめを刺すために準備していたクリプトナイトの結晶を刃にした槍、ロイスの乱入で和解し使わなかったのだけど、それがゾッド将軍を基にし、あらゆる攻撃を成長の糧とするドゥームズデイの弱点として用いられる流れは素直に上手いと思える。
ワンダーウーマンは、ドゥームズデイとの戦いで引き付ける役割をしていたバットマンの危機に、ビームを受け止める形で登場するのだけど、それをシールドで受け止めるのかとおもいきや、前面にクロスさせた腕で受け止めるというカッコよさには素直に驚いた。その後に活躍もなかなかにカッコよく、今後の作品が気になるところ。
クリプトナイトの力に影響されなふがらも槍でドゥームズデイのとどめを刺したスーパーマンではあるけど、その際に胸を貫かれて死ぬ事に。その葬儀の後で、ブルース・ウェインワンダーウーマンにヒーロー達を集める決意を語り、一気に「ジャスティス・リーグ」への道筋は付けられたというもの。勿論、スーパーマンも墓穴の中の棺おけにかけられた土が僅かに動き・・・というラストカットで復活を示唆されており、次への期待が一気に高まる仕組みとなっていた。