劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間

テアトル8、評価★★★
仮面ライダーゴースト」の劇場版。テレビシリーズの視聴が追いついていない状態ではあったけど、シンプルな話であったのであまり気にせずに楽しめた。
最近の劇場版らしく別世界での物語となるのだけど、やはり番外編としては作りやすいのだろうか。眼魂の形を模した世界の外観は分かりやすさとしてひとまず良しとする。それでも、人の姿となって街を作る100人の英雄という雑多な感じは面白かった。まさか、ベートーベン等の音楽家氣志團のメンバーで、主題歌の演奏をするあたりも嫌いじゃない。
そして、劇場版らしく新ライダーとしての敵の登場も無理矢理だけど嵌ってるし、その進化もまた面白いものであった。
無理矢理だけどゴーストの要素がみっちり詰まったものに仕上がっていたなぁ、という感じか。<以下核心メモ>
敵であるダークゴーストは死んだ筈であったアランの兄のアルゴス。この辺りは仙人の気まぐれ的なものが働いた結果であるけど、世界観的に便利な役回りだなぁ、と思うしか無い。
アルゴスが究極の眼魂を手に入れて、全ての人々をゴーストにしてしまおうという野望のために必要としたのが、村に集めた100人の眼魂でありその中でも進化論を提唱したダーウィンの眼魂。そして、その他にゴーストとして生き返ったタケルの残された肉体を必要とするのがポイント。
究極の眼魂を破壊すれば、己の肉体を破壊し更にゴーストとしても存在できなくなるという選択を迫られるという。
そこで効いてくるのが、冒頭のカノンの誕生会でアカリと"生き返って御飯を食べる"という約束。ゴーストとなって叶わなくなった"御飯を食べたい"という基本的な願いの元に皆を救うという決断に至る流れは良かった。それを応援するアカリ達の笑いと共に。
それでも、究極の眼魂を壊したタケルは消滅してしまうのだけど、灯篭流しの灯りの祈りに引き寄せられる様に復活するラストは、ご都合主義でも素敵な終わり方になっていたものだと思う。