1/48 パーシング重戦車 -ガルパン 大学選抜チーム仕様で作る


ガールズ&パンツァー 劇場版」に登場する大学選抜チームのパーシング重戦車を1/48で作成。最初に仙台で劇場版を観た時から、パーシングならタミヤのキットがあるなぁ、と目星をつけていたもの。

劇中の印象から中隊長の車両を作りたいけど、どれを作るか…と思案したところで、結局3両を作る為にキットを早々に3個購入。1/48のキットであれば、1/35の公式キット1個分で3個買えてしまうのだもの。
そんな感じでキットは早々に準備していたのだけど、問題があって手がつけられず。その問題は"劇場版で必要となるターンバックルの付き方、特にフロントの基部が解らない"というもの。モデルグラフィック誌やホビージャパン誌の作例を確認しても明確な情報が無く、実車の画像とかを検索してもよく解らないという事を延々と繰り返していたり。
そんな事をしているうちに、やっと「アハトゥンク・ガールズ&パンツァー2」が発売され、疑問は一応クリアになったので制作を開始したというもの。


・ハッチの可動
工作の最初は、ハッチの可動から。
中隊長3人ともキャラとしての魅力もあったのでフィギュアとして乗せたいと思ったのだが、3両作った時に再現したいバミューダアタックではハッチが閉じてる必要があるので、どうせなら開閉式にしてしまおうという事で。
工作としては単純で、ヒンジ部分を0.8mmの真鍮線に置き換えるというもの。

単純とは言っても、初めて行う作業なので擦り合わせに注意しながらの穴あけ。なんとか纏まる範囲で加工できて良かった。3両分全て無事に加工できたわけで。ひとまず、端はプラ材で押さえる様に。


・転輪の組み立て
次にやるべきと思ったのが転輪の工作。幸い設定とキットの差は無いのだけど、3両分まとめて進めたので、その数が大変というか。ラフなパーティングライン消しにしたとはいえ、40個も弄ってるとさすがに辛くなるものでー。


・後部の加工
後部の違いを工作。
リアパネル(C5)に2本の筋があるのだけど、CGモデルには無いので黒瞬着で埋めてフラットに。あと、インターホンもいらないので取り付け穴も埋めた。
牽引ホールドの部分、キットではフックが付いた状態であったのでパーツは使わずに、一方の板はプラ板で再現。牽引ホールドにワイヤーが固定されている状態となっているのをどう再現しようか考えた結果、実際と同様に抜き差し出来るピンの状態にして、ワイヤーの調整をしてから固定できる様にした。
後は、ライトのフレームが埋まった状態だったので肉抜きを。
パネルに付くフック(B18)は真っ直ぐになる様に付けた。

ワイヤーを接着した後の固定状態はこんな感じ。

ワイヤー先端の輪の向きが90度異なるのだけど、なんとかクセをつけてやればすんなり入るか…と思ったけど、そんなに簡単にいかずに折れる折れる。折れたものや伸ばしランナーを無理矢理繋げてなんとか纏めた。


フェンダーの加工
目立つところの加工として、フェンダー部分の肉厚がビックリするくらいのものであったので、薄くなる様に削った。


・ライトガードの加工
アメリカ戦車の必須工作として、ライトガードはしっかりと肉厚を調整。


・ターンバックルの工作
いよいよ本題のターンバックル。実際のターンバックルの構造を踏まえたうえで、1/48ならどうやれば再現出来るかを考えた結果として、ターンバックル部分は1mmプラ角棒で、そこから0.3mmの真鍮線を伸ばしたものを、本体側の基部に取り付けるというもの。

ただ、1mm角棒そのままだと大きいので薄くなるように削り、更にターンバックルっぽく見えるように真鍮線を付けた部分の角を落としたりした。
それを、本体に貼り付けた基部に開けた穴へ、折り曲げた状態の真鍮線を差し込んで固定した。

本来、基部のほうは真鍮線を挟み込む構造にすべきで、1箇所くらいなら出来そうだけども複数箇所あるわけだし、更に3両分あるという事で、一番シンプルな工作にした。

雰囲気は再現できたけど、よく見ると実感が無いというものであるけど、今回はこれで満足。


・砲塔の加工
砲塔部分が細かい差異があるので工作。
まずはジブクレーン基部(C15,C23)に設定を参考に穴を開けて、ハッチ(C27)にある穴を埋めた。あと、砲塔右側にジブクレーンフックの名残りをプラ板を貼ってそれっぽく。
機銃は取り付けないので基部の縁が薄くなる様に加工し、更に脇にもディテールを追加。直接照準も意外に目立つので、プラ板で再現してみた。
C1の部品はC12の取り付け位置に付け、本来のC1の場所には設定を参考にした部品を作って取り付け。

後部にあるクランプはプラ材で自作。設定は開いてる状態の様であるけど、1/35の作例を参考に閉じた状態で。丸の部分はプラ板の細切りを丸めればいいかと思ったけど、丸める度に折れるので丸棒に穴を開けてなんとか作った。

最後の組み立て時に気付いたのだが、設定に合わせるなら左側の予備履帯の位置関係は調整しても良かったかも。P1とP2の段差が無い状態が良かったみたいだけど、まぁ重箱の隅レベルの話だものね。


塗装前の組み立て状態はこんな感じに。

足回りはロコ組みにした事から、サイドスカートが邪魔になるので本体上下の固定は塗装後に。
本体の色は、アーマーモデリング誌にあったカラーレシピを参考にし、白を追加したもので。スミ入れをタミヤのダークブラウンで行った以外の汚しは無しで。一箇所だけ、後部のマフラーにはウェザリングマスターのすすを乗せて、CGモデルと同様に。
大学選抜マークはガルパンデカールからだけど、ピッタリの6mm径のものが8枚しかなくて途方にくれる。仕方が無いので、砲塔右側のものは4mm径とした。後で見たら、砲塔左側のほうが小さくても良かったのかも。
中隊長のパーソナルマークは自作デカールで。メグミとルミのマークは透明地のものを2枚重ねたらそれっぽくなったけど、アズミ車の黄色はそれでは出ないので白地デカールの上に透明地のものを重ねたけど、白地のものが細く加工できないわ、透明地の黄色は発色が悪いわと難儀。ちょっと苦しい仕上がりにはなってしまった。


完成状態。

メグミ車を代表で。


後部はこんな感じ。

フロントのターンバックルまわりの状態。

ハッチの開閉。


結果的に細かい作業が多くなって、3両同時での大変さもあったのは確かだけども、劇中のバミューダアタックを再現してるとやっぱり3両作って良かったなぁー、と思えるもので。
こうして複数揃える楽しさも小スケールだからこそ、というのもあるわけだしね。