007 カジノロワイヤル

テアトル5、評価★★★☆
ダニエル・クレイグに変わっての最初の007。しかも、ボンドが00の照合を得た時の話で、なおかつ原作は以前に007のシリーズとは別に娯楽作品として作られたって事もあって、気になる事は多い作品。
ダニエル・クレイグは思ったとおり粗削りな感じが強すぎたか。カジノでのスタイルはいいのだけどその他の服装が筋肉が強調されすぎてかなり違和感が。まぁ、ピアース・ブロスナンとの差が大きすぎる事もあるんだけどね。*1
物語は、ボンド=007が確立する前の話として、シリーズのフォーマットをかなり崩していて緊張感を持って観られた。冒頭のスピード感溢れる追跡劇や、カジノでの駆け引きには素直に楽しめる。
大きい声では薦められないけど、007ファンは観とけ、って映画かな?<以下核心メモ>
ボンドが単純な肉体的苦痛を与えられる拷問を、しかも裸でされるというのはかなり違和感が。ダニエル・クレイグという俳優の肉体美を強調するだけで、ボンドとしては外れた感があったのだが。
今回は、全てのエピソードの初めという事で、ヴェスパー・リンドとの恋と、悲しい別れが軸としてあったのだが、あまりにも純粋に女性を愛してるとボンドじゃ無いみたい。ここまでの様子だと「女王陛下の007」に繋がるのか、ちょっと不安になってしまう。
結局のところ、テロ資金の調達に失敗した悪者がカジノでそれを取り返そうとするのを、ボンドが阻止するというのが話の筋な訳だが、最後の最後は本当の黒幕であるミスターホワイトがボンドに足を撃たれて終わるあたり、この組織の構図は次回作にも生きるのか興味は出てきたか。

*1:ショーン・コネリーの次だったら違和感少なかったかな、とは思うけど