機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス

劇場公開版の音声で、HDリマスターされたDVDの発売。これで「特別編」は黒歴史の彼方へ。


作品内容はともかくとして、リマスター状態は良好。って、いうかやり過ぎ感も。TV版の時も思ったけど、背景の質感がしっかり伝わってくるのね。まぁ、逆にキレイ過ぎるデメリットとして、ゴミとかもクッキリしてるのが…。まぁ、これは30年近く前の作品で、フィルムも限界という事なんだろうかと。


問題はBOXの仕様。
ディスクそれぞれは、1枚に本編とそのタイトルの予告編の組み合わせ。どう考えても、単品販売を考慮したディスク構成。でも、個別のジャケットは当時のポスター素材を使っていてカッコイイ。
解説書はかなり中途半端。いつも通り氷川竜介が手を入れてるのだが、そうは見えないデキなのがなんとも。
あと、初回封入特典らしいのだが、劇場版3部作のパンフレットとポスターの縮刷版が付属。って、これが付いて嬉しいのだろうか?時代としてどこか「まんが映画」とか初期のアニメ誌の雰囲気を持った内容は、逆に今となっては読み辛い様な。
だったら、氷川竜介だけでなく小牧雅伸とかも入れてもう少し解説書を充実させても良かったと思う。
あと、BOXとして売るなら4枚目としてディスクを追加し、そこに予告集を入れるべきだったのでは。他に、以前のLD-BOXにあった様なプラモCM集を入れたり、スタッフインタビューを含めたドキュメンタリーなんかを作って入れれば俄然資料的価値が上がるのに。


こんな回顧主義的な仕様にした為か、値段が最悪。定価で18900円って、自分みたいな独身30代しか買わないよ。
テレビ版以上にファーストガンダムの代名詞となった劇場版、多くの人に手にしてもらうにはもっとシンプルな構成にして、せめて定価で12000円、通販とかで10000円を切るくらいにしないと、広く普及しないよ。
すぐにBD化されるのも目に見えている事だし。


そんな感じで、このDVD-BOXの商品としては「『ガンダム』というビジネスは生き延びたけど、『ガンダム』という作品が殺された」という感じが否めない。
正直、ガンダム好きな人が企画してないでしょ、これ…。