刑事マルティン・ベック

未見の作品としてレンタル。
先に見た「マシンガン・パニック/笑う警官」が、このマルティン・ベックシリーズを元にしたものらしいけど、雰囲気が全く違う。こちらがスウェーデンで作られたからという訳だけでもないが。
まわりくどい感じでもでも本質に迫っていくという流れは同じなのか?こちらでも、最初は別の容疑者が立つけど、そこから推理を働かせたところで真犯人に辿り着くもので。
物語は、入院していた警察官が銃剣でメッタ刺しにされて殺されるが、調べるうちにこの警察官の悪行は有名で…というところから進むもの。電話や直接の聞き込み等の地道な捜査、しかも複数の刑事が動く様子は面白い。
それでも、クライマックスは犯人が銃を持って立てこもり、警官を殺していくというものに。集まってきた野次馬の中に、ヘリが落ちたりと'70年代のパニック映画らしい展開もあって盛り上がる。
ことごとく作戦が失敗するところで、マルティン・ベックが単身切り込む…のだが、撃たれてしまう締まらない展開。更に、別の刑事達が犯人を確保するところで映画が終わり、撃たれて避難させられたマルティン・ベックがその後どうだったかを見せる事無く終るので、なんか拍子抜け。まぁ、古い映画によくある、事件の終わりが映画の終わりという作りなんだろうけどね…。
複数のキャラクターを使って見せる刑事ドラマ、しかも警察内部の問題を描くものとして面白かったのだけど、ラストシーンの失速感というかブツ切り感にはなんともいえない気分となった一本。
刑事マルティン・べック [DVD]